スリッパを履かせる会社はつぶれる?

どこぞの人の書いた下記の言葉が、やたらにリツイート・リブログされているようで、今日一日であちことで目にすることになった。

うちの親父が、バリバリ現役で商売してた時に言ってた「1フロアに壁掛け時計が2つ以上ある会社は潰れる」「玄関で靴を脱がしてスリッパに履き替える事務所は潰れる」「届いた荷物のダンボール出しっぱなしの会社は潰れる」って話の的中率の高さに、最近、驚いている。この指標、マジで当たる。

10年以上前に読んだビジネス本にも同様の内容を記したものがあったから、そう目新しい説ではないのだが、そもそもの出どころは知らない。この方のお父さんかも知れない。

ただ、的中率の高さに驚いていると書くくらいなら、いったいそれは何社中何社のことか、くらいは触れてほしかった。こういうのは、当て嵌まる例を持ってくれば一見正しいように思えるし、当て嵌まっていない例を出せば、間違っているような気がする、その調査方法が重要なのであり、それがなければいかにも胡散臭く感じてしまう。

たとえば食品会社や精密機器会社の研究所などでは、土埃を避けるため靴を脱いでスリッパ履きは当然であるが、ニコンサントリーがそれで潰れると主張する人はいるまい。また中小企業に限っていえば、会社というのはいつかは潰れるものであり、潰れてしまえば「あの会社はスリッパだったから潰れた」「時計が二つあったから潰れた」といくらでも主張できるが、なかなか正面切って反論もしにくいものである。

会社を継続させていくのに重要なことは、明朗決算だとか、資金繰りだとか、マーケティング、地道な営業活動、他社にないメリット、その他、いろいろあるであろうが、こうしたことは当たり前過ぎてなかなか人目を惹かない。そこで、スリッパをはくと潰れるとか、長財布を持つと収入が増えるとか、一見まるで関係のないと思われることを結びつけ、そこにもっともらしい説明を与えると注目を集めるというわけであろう。まともな経営者がこうした言に右往左往するとは思えないが、あくまでファンタジーとして捉えるべきことだと思う。