音楽

風「ファーストアルバム」

かぐや姫を初めてちゃんと聴いたのは「三階建ての詩」(1974年3月リリース)だ。シングル曲としては「赤ちょうちん」が収録されている。これもいい曲だが、特に心惹かれたのは正やんの「南風知らん顔」、パンダさんの「君がよければ」、こうせつさんの「雨に…

音楽の説得力

自動車の運転をしながらFMをぼーっと聞いていたら「松任谷正隆のちょっと変なこと聞いてもいいですか?」とかいうコーナーになった。僕は名前を知らないアメリカ人(流暢な日本語を話す)がこんなことを言っていた。 自分は英語しかわからず、アメリカの歌し…

トニー・シェリダン逝去

1961年10月28日、ジーンズに黒いレザー・ジャケットを着た18歳の少年、レイモンド・ジョーンズが、リバプールのホワイトチャペルにある「NEMS」というレコード店へやってきて、こんな風に言った。 「マイ・ボニーというレコードがほしいんです。ドイツで作ら…

「私たちは永遠にキャンディーズだからね」

4月23日(土)、24日(日)はテレビを見ていたけど、告別式のあった25日(月)は仕事のためニュースもろくに見られなかった。翌朝、いきなりスーの声が流れてきたのでぎょっとなったが、亡くなる前に録音したものだという。集まってくれた方に直接お礼を伝え…

スーのお通夜

いろいろ知らないことはあるんだなあ。そんなことばかり考える。スーが20年近くも癌と闘っていたなんて知らなかった。弟さんを早くに亡くされていたなんて知らなかった。芸能界に復帰したのも、その弟さんに「テレビで頑張っている姿が見たい」と言われたか…

今夜はスーのお通夜

キャンディーズが解散後30年以上たっても人気が衰えず、伝説的ですらあるのは、いろいろな理由が考えられるが、彼女たち3人の人柄の良さと、チームワークの良さもそのおおきな要因であるに違いない。解散後、少なくとも公開の場で批判し合うようなことは一切…

忘れじのキャンディーズ

あまりテレビをみない子だったが、キャンディーズは登場した時からよく覚えている。「8時だヨ! 全員集合」でアシスタントとして、椅子や道具を運んだり、他の歌手が歌う時後ろで踊ったり、コントの相手役を務めたりしていた。そのうちに自分たちもオリジナ…

田中好子亡くなる

キャンディーズのスーこと田中好子が亡くなられた。55歳。乳癌だったという。今どき乳癌でそんなに簡単に死ぬものなのか!? と驚いたが、公表していなかったけど実は最初に癌が見つかったのは1992年で、以来19年間癌との闘病を続けていたのだという。今回は…

We are the world

気が滅入る時は音楽を聴くに限る。We can't go on pretending day by day That someone, somewhere will soon make a change We are all a part of God's great big family And the truth, you know, love is all we needWe are the world, we are the child…

ジョンの命日

12月8日はジョン・レノンの命日だ。若き頃のこの日、ニュースでこの報に接した時の驚きは忘れがたい。数年間の沈黙を破って音楽活動を再開し、「STARTING OVER」が世界中で大ヒットしていたさなかだったからだ。元ビートルズということではなく、まさに「こ…

「罠」が聞きたくなる

この季節になると「罠」が聞きたくなる。キャンディーズは、当初、いわゆる「カワイコちゃん」風のスーをセンターにしていたが、ランにお姉さん風の魅力があるのでは? と考えたスタッフは、「年下の男の子」でランをセンターにしたところ、これが大ヒット、…

ベスト? アニメ・ソング

「ベスト吹奏楽! アニメ・ソング編」(S.Y.’s Blog、2010/11/23)で知ったのだが ベスト吹奏楽!〜アニメ・ソング編〜(EMI Music Japan) 高校時代、吹奏楽部がよく「宇宙戦艦ヤマト」とか「銀河鉄道999」とか演奏していた(ような気がする)から、こういう…

Modea(モーディア)のミニコンサート

先日、「高速バスはつらいよ」(2010/11/15)なる記事を書いたのだが、この時、帰りにバスが八重洲に着いたため、こんな時こそ大手町でぶらりと買い物でもしようとオアゾに向かった。11月11日の話である。中に入った途端、BGMというにはかなり強烈なバイオリ…

チューリップのステージ

YouTubeをザッピングしていて下記の動画にぶつかった。チューリップの「私のアイドル」、オリジナル曲は1974年のリリースだが、これは2008年2月12日に演奏されたもの。コメント欄に ポールマッカートニーのBack in the U.S.のコンサート会場で、おっさんが泣…

北山修さよならコンサート

テレビ番組表を眺めていたら、NHK BS2で「きたやまおさむ名曲コンサート」があるというので見てみた。最近では本業と区別して、音楽方面で名前を出す時はひらがな表記にしているらしいが、どうもなじめない。その本業だが、精神分析科医で国立大学の教授だと…

チューリップのアップリケ

岡林信康の作ったこの曲を知ったのは、たぶん高校時代だったと思うが、以来、何度も聴いたし何度も歌った。友人知人にも教えた。レコードは、アレンジを恐らく西岡たかしがしたものと思われるが、哀しく、切ない歌詞に、切ないギターがよく合っている。 うち…

ミカ・バンドとサディスティックス

サディスティック・ミカ・バンド(soulbounce blog、2010/03/06) ミカ・バンドはミカがクリス・トーマスと浮気をしたせいで崩壊、ワリを食ったバッキング軍団はサディスティックスと名前を変えて数枚アルバムを発表したり矢沢永吉のバックをつとめたりしま…

新六文銭の解散の真相

Wikipediaの「吉田拓郎」や「六文銭」の項では、金沢事件は新六文銭のツアー中に起き、それが元で新六文銭は消滅に追い込まれたような記述になっている。が、山本コウタローの「誰も知らなかった吉田拓郎」によれば、新六文銭が音源も残せず消滅したのは、メ…

山本コウタローによる吉田拓郎伝「誰も知らなかった吉田拓郎」

山本コウタロー、「誰も知らなかった吉田拓郎」(イースト・プレス 文庫ぎんが堂) 山本コウタローが一橋大学社会学部を卒業する際、卒業論文に吉田拓郎を取り上げたのは知る人ぞ知る話。本書は、彼が改めて拓郎の性格や生い立ちを綿密に調べ、書きあげた「…

2003年の吉田拓郎

田家秀樹、「豊かなる日々」(角川文庫) 「小説吉田拓郎 いつも見ていた広島」と続けて読んだのだが、記録している機会がなかった。前作が、デビュー前の拓郎を描いたのに対し、こちらは2003年……というのはつまり、肺腫瘍が見つかって、癌を宣告され、手術…

A面の野性味、B面の抒情性。何人にも否定し得ぬビートルズ・ミュージックの錬金術。「アビイ・ロード」

これを奇跡と呼ばずして、何を奇跡と呼ぶのだろう。「アビイ・ロード」は……、陳腐な表現しか思い浮かばないが、とにかく、非常に優れたアルバムである。「サジェント・ペパーズ」のような押しつけがましいコンセプトがなく、適度に肩の力が抜けていながら、…

世紀の駄作「レット・イット・ビー」

知っている人は知っている有名な話だが、改めて書いておく。アルバム「レット・イット・ビー」がリリースされたのは1970年5月。それはイギリスでは13枚目で、「アビー・ロード」(1969年9月)よりあと。ビートルズのオリジナル・アルバムとしては最後の発売…

幻の「ゲット・バック・セッション」

ホワイト・アルバムで、メンバーの間に大きな亀裂が生じた(または、亀裂が明らかになった)ことに危惧を抱いたメンバーは、原点回帰を目指し、「ゲット・バック・セッション」と呼ばれるセッションに取り組む。バンドとしてチームワークよく活動していた当…

ホワイト・アルバムへの憧憬

ビートルズのリマスターCDを買ってから各アルバムのプレビューを書いてきたが、一枚につき一回で終わらせているのに、ホワイト・アルバムに関しては気付いたら5回も書いてしまった。しかし、自分としてはまだまだ全然書き足りない気分。収録曲の大半はインド…

ホワイト・アルバムにおけるギター

ホワイト・アルバムのサウンドは、それ以前のものと比べてくらべていろいろ変化があるが、3フィンガー風のギター演奏が登場したのもそのひとつだろう。3フィンガー奏法というのは、元の意味は3本の指を使って演奏することだが、独特のリズムがあり、普通はそ…

ホワイト・アルバムにおけるドラム

リンゴ・スターは、かつてビートルズの解散の理由を訊かれ、こう答えたことがある。 例えば僕がやめたため。ジョージがやめたため。ヨーコが現われたため。ジョンがやめたため。それに商売上のこと。突然、僕たちが一緒にやっているのが厭になって、一人一人…

ジョン・レノンの伝記

トニー・ブラッドマン、坂本真理訳、「ジョン・レノン 愛こそはすべて」(佑学社) 最近は、子ども向けの真面目な偉人伝シリーズなどに、ジョン・レノンや手塚治虫、イチローなどが並ぶようになり、違和感なく受け入れられているらしい。図書館で目に留まっ…

加藤和彦のエピソード

10月19日に書いた「オラは死んじまったダ」はすごく注目されるのではないかとひそかに思っていたが、どうやらみそさんがはてなスターをくれたのみで、リンクされたりブックマークされたりした気配はない。もうちょっと続けてみる。 「帰って来たヨッパライ」…

ホワイト・アルバムへの思い入れ

なぜホワイトが好きかというと、理由はいろいろ挙げられるが、他のビートルズのアルバムと比較して、「嫌いな曲が一曲もない」ということがいえる。ビートルズは、どのアルバムも名曲揃いだという言い方もできるが、少なくとも個人的な好みでいえば、名盤だ…

オラは死んじまったダ

17日(土)に加藤和彦が逝った。自殺と聞いて「いったいなぜ……」と思ったが、その後のニュースで、一ヵ月ほど前からうつ病の症状が悪化していたこと、最近、愛蔵のギター・コレクションを友人たちに手紙を添えて分け与えていたこと、自殺する前に入院中の母…