MANGA OPEN大賞 受賞作発表/今週のモーニング(3/17:16号)

GIANT KILLING」(ツジモト)、堀田はレッド。その直後、山形が同点に追いつく。こういう展開はあまり面白くない。そもそもETUは、これまで明らかにタツミの戦略で勝ったといえる試合はそう多くはない。今回は彼が選手に教えてきたことの上に、徹夜で考えた作戦が功を奏しそうな勢いだったのに、サクラにも見せ場を作るため? 追い詰められている。まず、もっとこれでもかというくらいに主人公の見せ場を作ってくれないと、作品自体に魅力が感じられなくなる。この漫画は、熱心なファンも多いようだが、毎週(一応)読んでいる僕でも、タツミ以外のETUのメンバーの名前が覚えられないもの。そんなものだ。

島耕作」(弘兼憲史)、機密漏洩も、私企業の問題ではなく国際スパイ問題にすりかわってしまった。弘兼って本当に「会社の仕事」が描けないんだな。サラリーマンが勤まらなかった人だから、しょうがないといえばしょうがないのだが。

デラシネマ」(星野泰視)、なるほど、三流の脚本を二流の作品に仕上げるため、他人のセットを借りる、か。でも役者が動いてくれるのかな。

「私は人間じゃない」(北浦和人)、主人公の探偵の推理はことごとく間違いだった。しかし、このようなやりとりを通じて少し見えてきた「事実」は、深い闇だった。依頼人は死ぬ。これで全6回のうち3回が終わったことになるが、これからの展開はどうなるのか?

ピアノの森」は20号から再開らしい。一ヵ月も先、というのはどういう意味があるのか。ページ数の調整のため? それとも、書き溜めをさせようと?

なごみさん」(宮本福助)、チェーン店の社長に祭り上げられたあとは、新たに「Cafe 和」という店を作って、いつもの仲間が集まって終わり。会社が潰れるのかと思ったが娘が頑張って維持されるらしい。

「Sunny Sunny Ann」(山本美希)、第29回MANGA OPEN大賞受賞。64ページのボリューム。型破りな絵柄。24歳とのことだが、その若さにもびっくり。40歳くらいで描くならわかるけど、20代前半の若い人がこういう話を描いてしまうのか。編集部も審査員(東村アキコ山田芳裕)も絶賛。数十年の一度の天才とか。天才というのは得てして短命におわってしまうものだが(皮肉)。

どこかの同人誌でこうした作品が掲載されたら絶賛するが、プロの作品としてはどうだろう。僕はあまり感心しなかった。主人公の破天荒な生き方は、魅力もあるが嫌悪もある。美人でもなくスタイルがいいわけでもなく、絵としての魅力が感じられない。今後に期待といったところか。