自分にとってのblog

その昔、ネット上にニュースグループとかメーリングリストとか、まあ枠組みはなんでもいいのだが、コミュニティなるものが存在し、そこに常駐してあれこれアクティブに投稿を繰り返していた時がある。

会話だから、誰かが何かを言えばこちらも返したくなる、つまり「書きたいこと」は次々にあって、気軽に書ける。雑談レベルの、どうでもいい話はともかく、それについてはかねがね自分はこう考えている、などということを書いて、いろいろ突っ込まれて不備な点に思いが到ったり、「なるほど」のような反応があって自信を深めたり、といったこともよくあった。そうしたら、もう一回きちんとまとめてどこかに置いておきたいと思った。そうして始めたのが「Adminではないけれど」である。

時は流れ、コミュニティが衰退すると同時に、Webダイアリ、あるいはblogといったシステムが市民権を得、いちいちhtmlファイルを作成してFTPでサーバーにあげなくても、メモを書くように気軽に記事を投稿できるようになった。システム的にネットを通じて自分の文章(や絵や写真など)を公開するための敷居がどんどん低くなっていったのだ。はてなでblogを始める前に2、3別のシステムを短気で使っていたことがあるが、こうしたシステムの利用を始めた時は、こんなに簡単にできていいものかと驚きだった。

その時に考えたのは、これまでメモをどこに記録しておくかは結構問題で、

  • PC内にローカルでファイルを作成しそこに書く
  • メモ用紙を持ち歩き、ペンで記入する
  • 頭の中にメモをする(つまり、記録しないで記憶に頼る)

など、いろいろ試していたがどれも問題があってなんとか便利で使い勝手のいいやり方を、と模索していた時期だったため、福音になるような気がした。

ところが、このやり方に慣れてしまうと、今更htmlファイルの作成なんかやっていられない。それにメモとはいっても公開する以上、最低限の文章には仕立て上げる。ここまで文にしたのなら、改めてまた清書して別の場所に掲載するなんてことを考えなくても、これが本番でいいのではないか、と思うようになった。

今は、PC内にローカルにメモ用のファイルを作成していて、思いついたことはまずそこであれこれ書き散らし、文章にまとめた上ではてな側にコピーしている。しかし、blogはあくまでメモ、という感覚も、いまだに捨てきれないでいる。これまでの記事を材料にして、いつかちゃんとした論文クラスの文章を仕立て上げ、残しておくのだと心のどこかで思っている。一生実現しなさそうな気がするけど。