一人横綱だからこそ、白鵬の偉業を讃えたい/白鵬、54連勝

18日、大相撲秋場所7日目、白鵬が54連勝を記録。これは千代の富士の53連勝を抜く、昭和以降単独2位の数字である。

  • 1月の初場所14日目から連勝スタート。春場所夏場所名古屋場所と3場所連続全勝優勝を飾り、秋場所は初日から7連勝で54連勝を達成した。3場所連続の完全優勝は史上初。
  • 歴代一位は双葉山の69連勝。
  • 「昭和以降」といちいち但し書きがつくのは、江戸時代に63連勝、明治時代に58連勝、大正時代に56連勝などの記録があるからである。が、当時は引き分けや休場をはさんでも連勝は途切れず、現在とは比較できない。
  • 名古屋場所で全勝した時点で、けがや油断さえなければ今場所の前半戦をとりこぼすことはないだろうから、54はいけると思っていた(もっとも、大関陣でも中日まで全勝で給金を直す力士が滅多にいないのを見ると「格下に確実に勝つ」というのがいかに大変かもわかるのだが)。次は69の記録更新といわれるが、まず今場所全勝できるかどうかが最大の難関だろう。琴欧州(7勝)も把瑠都(6勝1敗)も調子がいい。終盤で、意地でも横綱に土を付けさせるとむかってくるはずである。もし全部勝てれば62連勝だが、全勝優勝はそんなに簡単ではないだろう。
  • 年間最多勝の記録は、昨年白鵬が記録した86勝4敗である。今年はさらにそれを更新できるか? と言いたいところだが、初場所で3敗しているから、かなり厳しい。今場所も九州場所も全勝して連勝記録を77まで延ばせば、年間でも87勝ということになるが。
  • 白鵬は、過去の連続優勝は3場所。従って今場所優勝すれば自身初の4場所連続優勝ということになる。また年間優勝回数は4回が最高。今年は5回優勝なるか。

一人横綱だから連勝できる、つまり、それほど価値の高いものではないという人がいる。ファンだけではなく、専門家の中にもいて、鳴戸親方(元隆の里)は「自分たちは4横綱5大関の時代で連勝は難しかった」とおっしゃる。白鵬の連勝が始まったのは朝青龍が引退してから、ということを考えると、一定の根拠がないわけではない。

しかし、強力なライバルがいれば、負けたくないとかいろいろモチベーションも上がるが、周囲が「普通にやれば負けるはずがない」「明らかに格下」ばかりである時に、自らを律し、努力を怠らず、精進し続けるというのは並大抵の精神力でできることではないのではないか。

自分は、一人横綱だからこそ、白鵬関の偉業を讃えたいと思う。