終わってみれば白鵬

28日、大相撲九州場所白鵬の優勝で幕を閉じた。白鵬はこれで5場所連続17回目の優勝となった。5場所連続は、朝青龍の7連覇、大鵬の6連覇(2度)に次ぎ、北の湖千代の富士に並ぶ昭和以降6回目(5人目)で自身初。17回目の優勝は6位。朝青龍の25回まであと8回。

場所前は白鵬の連続勝利記録で盛り上がったが、二日目に早くも土がついて連勝記録は63でストップ。これによって俄然、混戦模様を呈する。

白鵬はそのまま崩れる可能性もあったけれど、見事に気持ちを切り替えて、三日目からは再び連勝する。が、これまでの安定した取り口が見られず、勝つには勝つが、もたつく展開。このまま一敗を守れるか。

魁皇は、ここ数年、何度も角番を迎え、勝ち越しても8勝かせいぜい9勝で優勝争いとは全く縁がなく、「角番大関」とか「クンロク大関」などと揶揄されることもあったが、今場所は初日に土がついたものの、その後はずっと連勝して9日目で早くも勝ち越しと、地元・九州で神がかり的な強さを発揮している。13日目に白鵬と1敗同士でぶつかることになった。

また、豊ノ島も三日目に土がついたもののその後は連勝して1敗を堅持。豊ノ島は昨場所14勝1敗で十両優勝して幕内に上がり、今場所は前頭九枚目にいるが、そもそも野球賭博問題で十両に落ちたのであり、今年3月には関脇を張っていた実力者。それが幕内下位との対戦ばかりで横綱大関とは当たらないため、取り組み上は有利である(後半は割を崩して把瑠都魁皇らと当たったが、白鵬とは当たらず)。

12日目終了時点で1敗力士が3名と、久々に白熱した優勝争いとなった。

しかし、13日目に1敗同士で白鵬魁皇が当たると、白鵬はまず魁皇を退けて1敗を堅持。さらに本戦を14勝同士で豊ノ島と決定戦に持ち込むと、こちらも格の違いを見せつけて優勝を決めた。

朝青龍の全盛期は、今場所の優勝候補として誰の名前をあげても、「終わってみれば朝青龍だよ」と言われたものだが、今はまさに「終わってみれば白鵬」だった。これで今年も86勝4敗で自身が昨年に記録した年間最多勝の記録に並んだ。初場所で3敗した時はまさかその後の5場所で1敗しかしないとは思わなかった。2年連続86勝という記録は、もっともっと騒がれてもいいことではないかと思う。

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