白鵬引退

27日に白鵬の引退を告げる号外が出た。もう36歳であり、現役が長くはないのは明らかだが、秋場所は全休したものの名古屋場所は全勝優勝をしていたから、まだ早いのではと驚いた。

しかし正式な発表がなく、協会側と何やらもめている様子。一応、29日に引退届が提出され、30日に引退と年寄襲名が承認されて正式発表となったが、誓約書を提出させるなど、ゴタゴタがあった。膝の具合が悪いのも事実だろうが、こうした協会側の対応に心が折れたのではないか。

通算成績は1187勝247敗253休、勝率0.828。幕内成績は899勝129敗23休、勝率0.875。

通算勝星 1187勝 歴代一位
幕内勝星 899勝 歴代一位
連勝記録 63連勝 歴代二位・一位は双葉山の69連勝
連続優勝 7連覇 歴代一位タイ・朝青龍も7連覇
年間最多勝 10回 歴代一位
年間勝星 86勝 歴代一位、2009年と2010年に連続して記録
幕内最高優勝 45回 歴代一位
全勝優勝 16回 歴代一位

白鵬は、僕が見てきた中では最も勝利への執念を持っていて、さすがは横綱だと感心していた。しかし、品がない、休みが多いなどと常に批判され続けて来た。それが僕には全く理解できない。

大相撲というのは神事あるいは芸能なのか、それともスポーツなのか。白鵬を批判する人は恐らくその人の中でこれに対する答えがあるのだろうが、説得力のある文章で説明したものを、少なくとも自分は読んだことがない。

神事や芸能なら品も格も必要だろうが、だとしたら筋書きがあるのは当たり前で、一時期騒がれた八百長問題など大笑いだということになる。そうではなく、スポーツであり、真剣勝負だとするなら、ルールで認められたことは何でもやって当然で、それを批判するのはお門違いである。

もうひとつ、日本人だけで立ちいかずモンゴルなど外国から多数の人材を引っ張ってきてやっと興行を成り立たせているにも関わらず、二言目には「日本人じゃないから心がわからない」などと言い出すのはひどい話だ。そもそも帰化しなければ年寄り襲名を認めないなどの差別主義がなぜ批判されないのか、そちらの方が不思議である。

休みに関してはもっとわからない。これまでもケガをしているであろうに無理して出場し寿命を縮めた力士は何人もいたが、適度に休みを取ることによってコンディションを保ち、出場した時は常に優勝を争えることを証明したのだ。立派ではないか。他の力士も大いに見習うべきだ。いい加減に、体調が悪くても出た人が偉い、という価値観から脱却してほしいと思う。