生放送でみたぞフィギアスケート

出先で(仕事をちょいサボって)漫画喫茶に行き、安藤美姫金妍児キム・ヨナ)、浅田真央ジョアニー・ロシェット長洲未来を見た。

安藤のフリーは今季初めて見るが、素晴らしいですねえ。表現力があるというのか、あでやかで流れるような演技に目を奪われる。ひとことで言えば「優美」というか。いいものを見せてもらった。この時点で一位。

次のキム・ヨナは……、言葉もないよ。なんといっていいかわからない。ただ「美しい」としか。これが世界トップの滑りか。まばたきも忘れ、唖然として見つめ続けた。終わった時は本人もさまざまなものから解放されたせいか涙ぐんでいたが、こちらもようやくほーっとため息をつく。フリーだけで150点を超え、合計228.56という史上最高得点を叩きだす。

浅田真央はちょっと表情が硬かったかな……。緊張もあるし、プレッシャーもすごいものがあったのだろうが、見ていて怖いくらいだった。しかし滑りの方はすさまじい。トリプルアクセルを2回も決めるなど、これまた最高の滑りを披露(トリプルアクセル2回は五輪史上初)。途中で氷に足を取られたのが残念だったが、すぐに立て直し、後半の激しさも特筆もの。得点は131.72、合計205.20で、残念ながらヨナとは思った以上の差がついてしまったけど、浅田もまた世界最高レベルの滑りを見せてくれたと思う。

SP3位のジョアニー・ロシェットは、全体的によくバランスのとれた滑りだとは思ったが、エレガントさでは安藤に及ばず、美しさではヨナに及ばず、力強さでは浅田に及ばず、細かいミスも目立ち、それほどすぐれていたとは思わなかったのだが、131.28と浅田に迫る得点だった。これでヨナと浅田のメダル確定。

最後を滑るのは長洲未来アメリカ代表だが、両親が日本人だそうで。これまでの選手が多かれ少なかれ緊張し真面目な顔で演技に臨んだのに、長洲はニコニコと実に楽しそうに始めたのは驚いた。演技自体もはじけるような溌剌としたもので、一番楽しんで見ることができた。安藤を上回る126.39。

ヨナが金、浅田が銀、ロシェットが銅。長洲が4位、安藤が5位、鈴木明子が8位。日本からの出場3選手(長洲も入れれば4選手)すべて入賞という見事な成績だった。結果として順位はついたが、浅田も安藤も最高の結果だった。誇りをもって堂々と帰国してほしいと思う。最後にいいものを見せてくれてありがとうと言いたい。