江尻良文のトンデモ記事

20日「WBCの監督にイチローが異議を」

いち選手の言うことを真に受けて監督を変えたりしたら、面子に関わると考えているような人間が大勢いそうだからなあ、あの組織は。

と書いたのだが、本日発売の夕刊フジでまさにそのような記事が載っていた。編集委員江尻良文という人の筆になるもので、「WBCは、イチローのためにあるのではない」「思いあがった何様発言以外の何物でもない」「監督人事に不満があれば、出場を辞退すればいい」などと吠えている。

プロ野球界の長老から出てくるかと思ったら、メディアから出てきたのには驚いたけど、サンケイグループってナベツネ支配下にあるんだっけか?

いち選手が口出しすることじゃない、というのはともかく、前回のWBCも別にイチローの力で勝ったわけじゃない、本当のMVPは宮本だ、とか、イチローマリナーズでも浮いている、などという発言内容とはかけ離れた中傷にはがっかりした。そんなこと関係ないじゃん。

いち選手だろうがなんだろうが、おかしいと思ったことは意見をいう。それが妥当なものであれば耳を傾ける。ダメならダメで、そのように説明する。本人をあげつらって真っ当な意見にふたをし、上の言うことに従え、という意見を、少なくともジャーナリストがいっちゃいかん。

なお、WBCの監督問題は、

  • 選考会議のあとで、野村克也が、「王さんやればと言ったが、王は星野を推薦した。他の名前は出てこなかった。あらかじめ星野で決まっているようだった」と暴露。
  • 恐らくはそれを受けて、イチロー発言が飛び出す。
  • イチロー発言に松坂が同調。「僕らはディフェンディング・チャンピオンだ。北京のリベンジじゃない」。
  • 高田繁が、会議の内容をバラすのはルール違反だと野村を批判。
  • 野村は、なぜ密室で進めるのか、ファンに経過を知らせるのが大事と反論。
  • 王貞治が、イチロー発言に「なるほどね」と鷹揚なところを見せ、考えを変える可能性を示唆。
  • 王の態度をみてか、高田は、次回の会議では日本シリーズの優勝監督をと提案するつもり、と意見を変える。
  • 星野仙一は、自分のホームページで、万が一にも監督を受けることはないと再度声明。ただし、反対する人がいる以上、自分がやってもまとまらないとか、家族に負担をかけるとかの理由をあげていて、自分はその器ではない、と思っているわけではなさそう。

こういう経緯を書いているだけでうんざりするけれど、いくらなんでもこれで星野監督の目はなくなっただろう。日本シリーズの優勝監督だと渡辺か原ということになるが、ナベQはともかく、原はちょっと物足りない。だって今年勝ったとしたら、それはグライシンガー・ラミレス・クルーンを獲得したからであって別に監督の力じゃないもん。現役監督から選ぶなら、落合だと思うが。