WBC全日本の4番打者

書店で野村克也の「あぁ、監督」という本が目についたので買って読んでみた。

野村は非常によく本を書く。一文字一文字自分で原稿を書いているのか、ゴーストライターみたいな協力スタッフがいるのか定かではないが、それにしたって一冊書くにはかなりの時間がかかるだろう。監督業はそれなりに忙しいと思うのだが、よく執筆の時間がとれるなあと、不思議に思わなくはない。

それはともかく、中身はいつもの野村節だが、それなりに面白かった。特に、迷走したWBCの監督選びについて触れているところは、なかなか痛快だった。「落合の名前を挙げたが王に無視された。明らかに読売グループの意向が反映されているようだった」みたいなことは、野村でなければ書けないだろう。

ところで、選手についてだが、エースピッチャーが松坂とダルビッシュ、一番がイチローまではいいとして、なんといっても問題は4番であり、キーになるのはキャッチャーを誰にするかだ、と書いた上で、野村は4番は松中信彦、キャッチャーは細川亨を推薦していた。

残念ながら、松中も細川も、4番を打つどころか、全日本のメンバーにすら選ばれていない。まあ、どちらも怪我が理由なので、致し方ないのだが。それにしても捕手が城島の他に阿部というのは笑ったね。城島が不調だったりけがをしたりしたら守れる人が誰もいないじゃないか。これも読売グループの意思なのかね。