最長のスポーツ漫画

Wikipedia「はじめの一歩」にこんな記載があった。

2006年11月現在、連載17年で現在78巻まで刊行され、以下続刊。少年マガジン史上、最大の巻数であると共に、2番目に長く続いて居るスポーツ漫画となっている。1位は、水島新司のライフワーク作品である「あぶさん」(野球)の86巻、スポーツ漫画・連載年数の史上最長は、同じくビッグコミックオリジナルに連載されている「あぶさん」(野球)の33年である。

この説には疑問を感じる。最長のスポーツ漫画は水島新司の「ドカベン」だろう。単行本でいうと、「ドカベン」が全48巻、「大甲子園」が全26巻、「ドカベン プロ野球編」が全52巻、「ドカベン スーパースターズ編」は現在連載中で既刊が16巻。合計142巻(以下続巻)という長さなのだ。

大甲子園」はドカベンの続編に位置づけられるものであり、これに反対する人はいないと思うが、もし疑念があるならこれを除いても合計116巻である。連載開始は「あぶさん」とほぼ同時期であるものの、中断があるため、連載期間は「あぶさん」が最長なのかも知れない。が、月二回の「あぶさん」に対し「ドカベン」は週刊誌である。分量は桁が違うのである。

もっとも、やめるタイミングを逸して無駄に長いだけであり、内容的にはとっくに終わってしまっている作品である点は、残念ながら「ドカベン」「あぶさん」「はじめの一歩」ともに共通している。従ってこの長さは不名誉記録とでも呼ぶべきものである。そしてもっと不名誉なのは、これらの作品を掲載誌から追い出すような、若い人気作品が登場しないことである。