中沢啓治さんが亡くなられた

12月19日、漫画「はだしのゲン」の作者、中沢啓治さんが亡くなられた。肺がん。73歳。

はだしのゲン」の連載が始まった時は小学生の高学年であり、少年ジャンプに掲載されたその作品を(「ハレンチ学園」や「トイレット博士」などとともに)リアルタイムに読んでいた。が、それほど長期にわたって読んだ記憶はない。

長じてのち、図書館に単行本が置いてあって、借りて再読したが、記憶にあるよりはるかに長い話であることに驚き、最初の方の話はよく覚えているのに途中から全く記憶になく、さらに、最初の方の話はのめり込んで読みふけってしまうほど面白かったが、途中からだんだん面白さが薄れていったのは、かつて読んだことのあるパート(懐かしさが加味される)と読んだことのないパート、という違いだけでは説明がつかないなあといささか不思議に感じていた。

今回ちょっと調べてみたところ、少年ジャンプに連載されていたのはわずか2年であり(1973〜74)、その後は市民(オピニオン雑誌)(1975〜76)、文化評論(1977〜80)、教育評論(1982〜85)と掲載誌が変わったそうだ。自分はジャンプ連載分しか読んでいない。また、掲載誌が変わったことで対象とする読者層も編集部の意向も微妙に変わり、それが作品の内容にも影響したのだろう。事情がわかって納得である。

はだしのゲン 第1巻 青麦ゲン登場の巻

はだしのゲン 第1巻 青麦ゲン登場の巻