ラジコンのプロの山本昌弘が本を書いた

現役選手にしても、元選手にしても、本を書こうなどという人は、そうそうたる実績の持ち主であって、それを自他ともに認める、つまり、本人自身が「自分は(超)一流選手である」という前提で本を書いていることがほとんどである。もちろん、それは事実であるから、何も間違っていないし、腹が立つわけでもない。そういうものだと思っていた。

山本昌も、200勝を達成し、超一流投手の仲間入りをしたはずだが、どうも本人はそうは思っていないらしい。

これまで200勝した投手は24人いるが、一年目に一勝も挙げられなかったのは6人。一年目に登板すらしていないのは、山本昌ただ一人。初登板が3年目、初勝利は5年目……何度も戦力外通告におびえた、とあっては、ある意味やむを得ないが、こんなに謙虚な本は初めて読んだ。実に新鮮だった。

歴代の監督と、組んだキャッチャーをみな褒め、ここまでこれた理由のひとつに監督に恵まれたこと、キャッチャーに恵まれたことをあげているのも素晴らしい。人柄がにじみ出るようだ。

133キロ怪速球 (ベースボール・マガジン社新書)

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