福本さんも本を書いた

福本豊といえば、もちろん世界の盗塁王であり、通算2,543安打(歴代5位)、449二塁打(歴代2位)、115三塁打(歴代1位)、1,656得点(歴代2位)、先頭打者ホームラン43本(歴代1位)……などなど、史上屈指の強打者であり、強肩好守の外野手として鳴らした人であり、つまり誰が見たって、なみいるプロ野球選手の中でもひときわ優れた名選手だったはず。

しかし、「自分は野球がヘタやった」と随所に出てくる、実に謙虚な本である。身体が小さかったせいか、高校時代にはプロからは声がかからず、松下電器を経てプロ入りした時もドラフト7位というありさまで、本人は「プロになれるとは思わなかった」「プロで長く続けられるか不安だった」。そのため必死で努力し、その努力が実を結んで……というわけで、本人はあまり自分に才能があるとは思っていないらしい。山本昌の本もそうだが、名選手が書いた本としては割と珍しいタイプである。