クロス・カウンターの実態

実際のボクシングを見ないわたしにとって、「クロスカウンター」というと「明日のジョー」である。ジョーと力石の一騎打ち。カッコよかったです。現実のボクシングでもクロスカウンターってあるんですか?わたしは星飛雄馬の大リーグボールとか「サインはV」のX攻撃みたいなものでマンガの中の発明だと思っていました。

実在する技である。ちょっとネットをあさってみたところ、写真があった。残念ながら、クロスカウンターを放った瞬間ではなく、それによって倒された場面であるが。

ただし「明日のジョー」内での使われ方は、実際とはかなり違う。Wikipedia「あしたのジョー」の項に解説があったので引用する。

劇中でジョーが得意としていたクロスカウンターは、相手のパンチを食らいつつそれ以上の打撃を与える「肉を斬らせて骨を断つ」技であったが、実際のクロスカウンターは、相手の攻撃をスリッピング等でかわしつつ同時に攻撃を加える、いわば「攻防一致」の高等技術である。

ジョーは決して防御がうまいボクサーではなかったため、相手の攻撃を「かわしつつ」攻撃するなんていう器用な真似はできず、ああいう独特の技に変化したのだろう。また、ジョーのリーチは決して長かったとは思えないので、あれが精一杯だったのか……

もうひとつ、この技はチャンピオンクラスがようやく使える高等技術。ジョーが左ジャブ、右ストレートに続いて習得したのがこの技だったが、こんな素人同然の選手に使いこなせるものではなかったはず。それだけジョーが天才だった証左だろうか。

ダブルクロスカウンターは、「はじめの一歩」でも「ブラッディ・クロス」という名で登場したが、漫画としてはともかく、現実性には乏しい。