島野育夫氏

島野育夫といえば、コーチとしては一時代を築いた人で、それなりの実績もあるから、追悼の意を表するのはやぶさかではない。また、亡くなられた人をことさらに悪く言うつもりもないのだが、ニュースでは1982年の事件には何も触られていない。これはフェアじゃない気がする。

1982年8月31日、当時タイガースのコーチだった島野育夫は、三塁塁審鷲谷亘の判定を不服として暴行に及び、止めに入った岡田功球審にも柴田猛と共に暴力を振るった。岡田は全治二週間の重傷を負い、島野・柴田は永久追放処分を受けているのだ。

もっとも、この処分はすぐに撤回され、島野も柴田もその後も長くコーチとして活躍することになる。確かに「永久」追放にするほどではない。しかし、小突く程度ならともかく、二人がかりで大怪我を負わせるのは異常である。まして、夏休み最後の試合で子供たちも大勢球場に来ていたのに……当時の報道を思い出した。

25年も前のことなど、今更持ち出さなくても、という意見もあろうが、だったら「1973年にゴールデングラブ賞」という34年も前のことを書く必要もなくなってしまう。良くも悪くも球史に残ることなのだから、それはきちんと伝えるべきだ。

というわけで、ここで書いてみた。