大島康徳亡くなる

2021年6月30日、元プロ野球選手の大島康徳が大腸癌のため逝去。70歳。

数年前に癌にかかり手術を受けたことを公表しており、近年はげっそり痩せた写真も見ていたから、来るべきものが来たなという印象で驚きはしなかったが、現役時代を知っている野球選手が亡くなるのは初めてではないだろうか。いや、大杉勝男がいたか……大杉は47歳だったから死ぬのが早過ぎたが、大島の70歳も早いと言えば早いが、自分もそういう年齢になってきたのかということが感慨深い。

小林亜星亡くなる

2021年5月30日、作曲家の小林亜星心不全のため亡くなられた。88歳。

CM曲や歌謡曲、アニメソング、テレビ番組のテーマ曲など、生涯に6000曲以上を残した。1976年「北の宿から」で日本レコード大賞を受賞し、2015年には日本レコード大賞功労賞を受賞した。(Wikipedia

小林亜星の名前はよく承知していて、あの容姿がすぐ思い浮かぶ。作曲家であることは知っていたが、司会者や役者のイメージが強く、作曲家の方が余技なのかと思っていた。実は作曲家としてもべらぼうな実績のある人だった。今回のニュースで初めて知った。

YouTubeで作品を見ていて「日立の樹」(この木なんの木)も小林亜星の作曲であることを知り、かつ、作詞が伊藤アキラであることを知り、そういえば伊藤アキラはどうしているんだと調べて、同じ月に亡くなられていたことを知ったのだった。

狼少年ケン」(1963年)「キングコング」(1966年)は、古い歌だが、改めて聞いてみると、ドラムやベースのリズムが素晴らしい。はっぴいえんどサディスティック・ミカ・バンドどころか、ビートルズが来日すらしていない時代にこれだけの音楽を作っていたのは驚きだ。J-POPの歴史を語る際はこうした曲は無視されてしまうのだろうか?

伊藤アキラ亡くなる

2021年5月15日、作詞家の伊藤アキラが急性腎不全で亡くなられた。80歳。

売れっ子作詞家だったが、CMやアニメの主題歌などが多かったため、あまり一般にはその名が知られていない。が、僕は小学生の頃からこの名には強烈な印象があった。

ソルティ・シュガーの「走れコウタロー」という歌が大ヒットしたのは小学校の時だったが、小学5年生の時、懇意にしていた電気屋さん(ナショナル専門店(PanasonicではなくNationalである!))に「いる?」と言われてもらったのが「スヤスヤコウタロー」のソノシートであった。

ソノシートというのはペラペラのプラスチックでできたいわば安いレコードで、無料で配ったりするような音源を入れるのに当時よく使われたものだ。

「スヤスヤコウタロー」は「走れコウタロー」の替え歌だが、歌っているのはソルティ・シュガーその人であり、演奏もしっかりしていて(恐らく「走れコウタロー」と同じ音源ではないだろうか)、こんな高品質の曲をタダでもらってしまってよいのかと驚いたくらいだ。

歌詞の内容は、レースが終わって疲れ切ったコウタローらは静かに休んでいる、というもので、途中のセリフ部分を引用してみる(まだ覚えている。小学生の時に覚えたことは一生忘れない)。

えー、このたび、遅刻という問題につきまして、慎重に検討を重ねてまいりました結果、眠い時には寝て、みんな揃って遅刻しよう、という結論に達したのであります。

各場ゲートインから一斉にスタート、と思ったら全然姿を見せません。厩舎を覗けばあっと驚く大三元。「実はゆうべ飲みすぎまして」「ヒヒーン、覗くなんてエッチ、ゲヒ~ン」「頭イテーし、腹もイテーし」「田舎の母が出てきまして」各馬一斉に遅刻の理由を申し立てております。枕もとには遅刻できない無遅刻時計、ナショナルの「スヤスヤ」が置かれておりますが、にも関わらずこのありさま。各馬、再び眠り始めました。お聞きください、この高いびき。「ゴーッ」う~ん、人間らちっく。

これはナショナルの「スヤスヤ」という目覚まし時計の宣伝の歌なんですね。今風にいうとスヌーズ機能がついていたということだろう。年代は、ソルティーシュガーが歌っていたんだから、1970年か71年。スヌーズはかなり先進的な機能だったはず。松下電工も派手に宣伝したくてこんな企画も立てたということだろう。当時、家にレコードプレイヤーはあったけれど、童謡以外のレコードを持っていなかった自分は、この曲を何十回も何百回も聞いたものである。

この曲の作詞をしたのが伊藤アキラさんだったというわけだ。

後日、松本ちえこの「恋人試験」という曲がスマッシュヒットした時、その作詞が伊藤アキラだと知って、あの伊藤アキラさんか! と感慨深かった。「65点の人が好き」の部分が流行し、当時「流行語大賞」があったら絶対にノミネートされていたと思うが、テストであまりいい点を取れなかった時にこのフレーズを歌って自らを慰めるというか、開き直るのがお約束であった。しかし、歌詞の意味は違う。「知っているのにわざと間違える65点の人が好き」なのである。精一杯やって65点しか取れない人を好きだとは言っていないのだ。なかなか奥の深い詩なのである。

さらに時代は下って、1988年ごろだったと思うが、NIFTY-Serveというパソコン通信のあるフォーラムで、伊藤アキラさんをお見掛けしたことがある。パソコン通信では、普通は本名を名乗らず、ハンドル(ニックネーム)を使うのがお約束だが、氏は「伊藤アキラ」を名乗っておられた。

作詞家と気づいた人が「恋人試験は名曲でしたねー」などと話しかけている中、自分が、「あ、あのっ! 自分は『スヤスヤコウタロー』のソノシートを持っていますっっ!!」と言ったところ、「それは貴重です。ぜひ大事にお持ちください」とお返事をいただいたことを今でも覚えている。

伊藤アキラさん、いろいろ楽しませていただきありがとうございました。

三浦建太郎亡くなる

2021年5月6日、漫画家の三浦建太郎が急性大動脈解離のため逝去。54歳。20日白泉社のサイトで公表された。

自分の周囲でちょっとした騒ぎになっていて、どうやらファンがかなりいたようなのだが、実は僕は三浦建太郎という漫画家はこれまで知らなかった。「王狼伝」「ベルセルク」という作品も今回初めて聞いた。

僕は漫画を、質的にも量的にも、かなり読んでいる方だろうと思うのだが、知らない作品もまた多過ぎる。大前提としては、昔に比べてジャンルが格段に広くなり、媒体も増え、作品数も増えたということだが、

  • 書店やコンビニの店頭で雑誌も単行本も立ち読みができなくなった
  • 特定の知人と情報交換をすることがない
  • 特にこの一年、外食せず漫画喫茶などにも行かない

といったことから情報が入ってくることがどんどん減ってきている気がする。「ネットで情報収集」というのは、自分が探しているものは見つけやすいが、能動的に探していない情報が入ってくることはほとんどないのだと思う。

田村正和亡くなる

2021年4月3日、田村正和心不全のため逝去。77歳。

弟の田村亮が公式サイトに報告し、ニュースになったようだ。夜Twitterを覗いたら大騒ぎになっていた。

さすがに顔はわかる。古畑任三郎役で大人気だったのも知っている。ただ、僕が映画やドラマで彼の姿を見たことは一度もないようだ。

笛吹きケトルを買った

これまではお湯を沸かすのにコーヒーサーバーを使っていたのだが、いろいろと不都合が生じたため、やかんを買うことにした。5日、フライパンと一緒に笛吹きケトル(1.4L)を購入。

なんといっても沸くのが早いのがいいが、教えてくれるのもありがたい。これまではコンロにかけたまま台所仕事をしていて、煮えたぎっているのに気づくのが遅れたこともあり、逆にそうならないようにすると、沸くのをじっと眺めているしかなかった。

しかし、台所仕事というものは、なにも1分も2分もとは言わないが、手が離せないのでちょっと一瞬待ってくれ、ということが多々ある。が、笛吹きケトルは容赦せず、一瞬も待ってくれないのがつらい。もう少し融通を利かせてはくれないものか。