今年の日本シリーズは世紀の大凡戦

中日ドラゴンズ千葉ロッテマリーンズの地味めな日本シリーズは、4勝2敗1引き分けでマリーンズの勝利に終わった。緒戦、第二戦と地上波のテレビ放映がないという事態で始まった不人気カードだったが、1986年以来の引き分けあり、日本シリーズ史上最長記録を更新する試合時間あり(第六戦の引き分け試合)、延長戦自体も三試合ありと、球史に残る白熱した対決とあって、途中から割と注目を集めるようになった感がある。

平日はなかなか試合は見られないが、11月3日、6日、7日の祝休日はテレビを見ていた。これがまたこの三試合が三試合とも延長戦だったのだが……

ワタシの率直な感想は「世紀の大凡戦」。

両チームとも、打つ方は、頑張って相手投手を攻め立て、なんとか塁に出る。守る方は、ランナーを許しても必死で後続を抑え、点を与えない。と書くと好試合のようにも思えるが、逆に言えば、投手はピリっとせずすぐに塁を賑わせてしまう。打つ方はタイムリー欠乏症で残塁の山。もう糞詰まりもいいところで、爽快さの対極にあるある試合だった。

とにかくどちらも点が入らず延長を重ねるので、結果が気になって観戦をやめるにやめられない。もうどうでもいいやと思っても、ここまできたら最後までとみればさらに延長。専門家はどう感じたかは知らないけど、一介の野球ファンとしては、とても好ゲームという気にはなれないものだった。

僕はドラゴンズを応援していたというより、マリーンズに勝たせてはいけないと思っていたから、結果は残念だったが、ポストシーズンの試合を見る限りでは確かに一番勢いがあって力強さを感じさせるチームだったかも知れない。とはいえレギュラーシーズン3位のチームがシリーズを制覇した(もちろん日本プロ野球史上初)ことで、「史上最大の下剋上」などとずいぶん書き立てられた。

けれども、下剋上などといってはしゃいでいる場合ではないと思う。7〜8ヵ月にわたってコツコツと積み上げてきたものが全く評価されず、たかだか十数試合の結果だけで大騒ぎする。こんなことが続いたらペナントレースは崩壊してしまう。NBPは百年の計どころか十年の計もないのだろうか。とにかくクライマックスシリーズなんか即刻やめて、シリーズはちゃんとセパ両リーグの優勝チーム同士の試合とすべきだ。孫さん、王さん、「(パ優勝の)ソフトバンクの立場はどうなるんだ」と一席ぶってよ。