高橋尚子「政治家は政治の勉強をした人がなるべき」

スポーツ選手にもいろいろ声がかかっているんだろうなと思ったが、高橋尚子桑田真澄は出馬要請があったものの断わったことを明かしている。高橋は民主党から。桑田はどこの政党から誘われたかは明かしていない。

高橋は「政治の勉強をした人が国民の代表になるべき」、桑田は「餅は餅屋。僕は野球の方で」と言ったという。この発言は恐らく多くの人に支持され、彼女らの好感度が上がったのではないか。それと谷亮子を対比して苦々しく感じた人もいただろう。

政治家は高度な専門的技量を要求される職業だと思うので、政治の勉強をした人が……というのは正論なのだが、このような著名人が立候補することに僕は必ずしも反対ではない。いわゆる政治活動を行なう際、一芸に秀でた人や、世界的に名を知られた人は、そのことが有利に働き、他の人にはできないことが簡単に成し遂げられる可能性があるからだ。

また、スポーツ自身が国政とは無関係でなくなっており、スポーツ振興のために莫大な予算が費やされている現状では、スポーツ界から政治家に出てくる人がいるのは自然だ。谷亮子が相応しいかどうかはわからないが、政治家を志したこと自体は批判する気は起きない。スポーツ選手では、他に石井浩郎堀内恒夫自民党から、池谷幸雄民主党から、中畑清が立ち上がれ日本から、参院選に出馬することを表明している。

しかし、だ。

11日の朝刊を見たら、谷の「すべてのアスリートのために頑張ります」という談話が載っていた。すべてのアスリートのことをいう前に、たった一人のアスリートのことを考えろよとは思った。福見友子の立場を考えたら、国際ランキングに名前も入っていない谷が「ロンドンで金を目指します」などと口にはできないはず。彼女の頭の中には、自分のことしかないのだ。