今週は読みごたえある作品が満載。
「ダンダリン101」(とんたにたかし/鈴木マサカズ)、主人公の段田凛がいつも釣り目で怒っている表情ばかりだったが、今回は新しい上司に愛想を振りまく場面が何度かあって笑えた。しかし冒頭の駐車場での一件、自分が間に合わなかった八つ当たりをしているだけのような気がしなくもない。相手のしたことは褒められないが、違反というほどでもなく、常識ある大人なら、この程度でいちいち突っかかったりはしない。
「宇宙兄弟」(小山宙哉)、自分もものづくりの一端に関わる人間として、今の話は面白い。
「僕はビートルズ」、なんちうか、これ以上ビートルズを冒涜するのは勘弁してほしいな。いくらビートルズの歌を歌ったからといって、単なる真似っこ人間が、本当の意味で人を魅了できないのは当然。理解されないのは周囲の頭が固いからではない。
「特上カバチ!」(田島隆/東風孝広)、榮田の風邪っぴきのエピソードがどう関係するのかがよくわからんが、栄田は、そもそもの「カバチタレ」連載初期のエピソードで子どもを守るために血相を変えた事件がある。(母「この子はなんでこんなに悪い子になったんだか……」、田村「まあ、お母さん、まだ幼いんだから仕方ないですよ、ねっ栄田さん」、栄田「なにをいう、こんなにええ子がおるかっ」)いよいよ栄田の本領発揮だ。とはいえ、そろそろネタの類似が気になるが、この程度は許容範囲か。
「ボクラハナカヨシ」(田中誠)、短いけど結構名作かも。この作家に競輪以外の漫画が描けたとはね。
「ライスショルダー」(なかいま強)、現在(他誌も含めて)連載中のスポーツ漫画の中で、抜群に面白い。「はじめの一歩」はこのテンポのよさに気付いてほしい。もっとも通訳の誤訳(意図的な歪曲?)ギャグはちょっとスピード感を損なう。このままあっさりボサンがやられるといいのだが、反撃があってもつれるのか。
「ピアノの森」、阿字野の野望が明らかになる。彼はここまでカイのことを考えていたのか。彼の親心に泣かされる。その阿字野の気持ちを知り、さらにその上を狙うカイの気持ちも。阿字野に感謝したい、というより、阿字野を失うのが怖い、という感情の方がカイにとっては正直なところだろう。
「なごみさん」(宮本福助)、和(なごみ)の正体さぐりでこれまで盛り上げてきたが、正体が割れた今、どう話を続けていくのかが問われるところ。今回の話は可もなく不可もなく。
「へうげもの」(山田芳裕)、数寄に関してはともかく、石田三成を諌める古田織部はなかなか格好いい。
「カレチ」(池田邦彦)、今週のピカ一。
- 作者: 東風孝広,青木雄二,田島隆
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/11/19
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