WBCへに参加する義理はない!

迷走の挙句、原監督に決まったWBCの日本チームは、メンバーの選出に入り、48人の候補選手をリストアップした。松坂がいちはやく「もし要請されたら出たい」と参加表明をしたが、国内選手は、タイガースの新井、矢野、ドラゴンズの岩瀬、高橋、浅尾、森野が辞退。さらに追加で打診のあった和田(ドラゴンズ)も参加を辞退した。

新井、矢野は理由を説明したが、他の選手はただ「辞退する」といってきただけ。しかもドラゴンズは全員が辞退するという状況に、チームをあげてのボイコットでは、と批判の声が上がっている。それに対し、落合監督が「参加するかどうかは個人の意思。いろいろ事情があるのだから、全員が参加すると考えるのが間違い。球団は何も言っていない」などと反論する一幕があった。

本来、オールジャパンチームがセパ12球団のどのチームよりも人気があり、メジャーな存在であって、国際大会で勝つことがそのスポーツ組織の最大の目標であり、国内のリーグ戦も国際試合を考慮した日程で実施し、そのメンバーに選ばれるのが選手の一番の夢……というのが理想なんだろうと思う。

野球というスポーツの人気に陰りが見えている昨今*1、「やはりジャイアンツが強くないと……」などと時代錯誤なことを述べる人があとを絶たないが、ジャイアンツではなく、全日本チームが強くなることが重要なはずだ。

が、現実にはそうはなっていない。器がそうでないのに、選手にだけ急にそういう気持ちでいることを強制するのはおかしな話だ。あちこちの記事を読むと、「日本チームが一枚岩にならなければ勝てない」とか「早くも水をさされることになった」とかいったネガティブな表現が目につく。これで急に水をさされたわけじゃなく、もっと早くから水をさされっぱなしだろう。

そもそもはアジア予選が読売新聞社の主催だからと言って、監督人選をはじめ、なにかと読売の意向が反映された運営になっていること自体がナンセンス。監督の選出からして、迷走に迷走を重ねた。読売は、日本のため、球界のために出資しているのなら、金だけ出して口を出すな。読売新聞社の興行なら、競合会社が非協力的でも文句をいう筋合いではないはずだ。

お断わりしておくが、僕自身は無論最高のスタープレーヤーの揃ったドリームチームであってほしいと願っている。アライバのいない内野は日本代表に値しないと考えている。そのためには、清武英利あたりに皆の前で謝罪してもらわねばなるまい。

「これまで偉そうに口をはさんで却って混乱させ、申し訳ありませんでした。代表チームは、ファンのものであり、全12球団の協力と調整の上に成り立つものです。読売新聞社の利益のために存在するわけではありません。以後、読売の人間は、運営にいっさい口をはさみません……」と。

過去記事

江尻良文という御用記者が「文句があるなら辞退すればいい」と述べているが、本当に辞退者続出となった。もちろん大半は、厭だから辞退したわけではなく、故障など已むに已まれぬ事情なんだろうけれど。

*1:僕はこの見方には与しない。ただしそうした見方が多いのは事実だろう。