「ジョンの魂」とプラスティック・オノ・バンド

あのニュースが飛び込んできた高3の12月の朝のことを思い出す。

驚いた。kous37さんは同い年なのか? 僕もあのニュースを聞いたのは高校三年生の時だった。思い入れの感じられる「Mother」の解説も、同い年なら納得がいく。

ところで、「ジョンの魂」に関しては日本語のクレジットが厭だ。レコード会社が決めたのだろうか、タイトルもそうだが、アーチストが「ジョン・レノン」になっている。そしてほとんどの場合、「ビートルズ解散後、ジョン初のソロアルバム」のように紹介される。

オリジナルは、タイトルが「JOHN LENNON」であり、アーチストは「PLASTIC ONO BAND」である。そう、これはプラスティック・オノ・バンドの作品なのだ。ジョンのソロアルバムではない。

ポール・マッカートニービートルズ解散後にリリースした「マッカートニー」は、ピアノの一部(とジャケットデザイン)をリンダが手伝っているだけで、作詞・作曲・歌はもちろん、ほとんどの楽器の演奏とプロデュースをポール自身がやっている。

ビートルズの晩年、ポールはさも自分ひとりでビートルズを切り盛りしているかのような態度を取っていたが、この「マッカートニー」というアルバムによって、ポールは(そして多くのファンも)、自分一人では名作は作れない、ということをしみじみと悟ったに違いない。

ジョンははじめから一人で何でもやろうとは思っていない。だからバンドを作った。そしてこのような名作が生まれた。ひとつひとつの曲もいいが、演奏の質もいいと思う。このアルバムを聴いた時は、ジョンがやりたかったのはこういうことだったのかと、妙に納得したのを覚えている。

ちなみに、この「JOHN LENNON」がリリースされたのは1970年だが、同じ年にPLASTIC ONO BANDは「YOKO ONO」というアルバムも制作している。日本ではタイトルが「ヨーコの心」。なんだかなー。