- 飽きっぽい(日記、2005/09/23)
本を読んで怖くなる、という経験があまりないが、一度だけ、背中がぞくっとして、しばらく身体の震えがとまらないような経験をしたことがある。
それは星新一の「午後の恐竜」だ。読んだのは中学生の時だったと思う。
ある日突然、街に恐竜が現われる。ゴジラのように破壊活動をするわけではない。ゆうゆうと闊歩する。なんでこんなことが? と調査を始める人もいるが、街の人は、どちらかというと、のどかにそれを眺めている。文章も、ほのぼのタッチで描かれる。
が、その真相が判明する。判明するというより示唆されるのだが、真相を理解した瞬間、ぞーっとなったのだ。
その後も、怖い小説には何度かお目にかかったが、この時の「怖さ」を超えるものはない。
- 作者: 星新一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1977/06/01
- メディア: 文庫
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