真樹日佐夫逝去

新年早々の訃報だが、1月2日、真樹日佐夫氏が亡くなられた。71歳。壮健に見えたがこんなにあっさり亡くなるとは……ちょっと驚いた。

日刊スポーツの記事はバランスが取れていると思うが、デイリースポーツの記事は少々ひどい。梶原一騎の方が有名なのはわかるが、「梶原一騎の弟が死んだ」という見出しはないだろう。作家としてオール読物新人賞やJLNA文学賞特別賞を受賞しており、劇画原作者としては「ワル」のようなヒット作もある。空手家として世界空手道連盟真樹道場の宗師であり、国内外に支部を持つそれなりに大きな流派だ。

もともと梶原一騎極真空手の名前を使ってしてきた仕事も多く(近年は大山倍達の暴露本や梶原一騎作品のリメイクなども手がけていて)、真樹日佐夫個人の存在感が薄いのも事実だろう。また空手家としての実力は疑問視する向きもあるが、僕には評価する能力はない。ただ、オール読物新人賞の受賞は、大山倍達とも梶原一騎とも関係なく独力で手にしたものであり、作家としてはもっと評価されていいのではないかと思う。

ああ五十年身に余る―真樹日佐夫ワル自伝

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