南こうせつと加川良

テレビ東京の「青春フォーク!! 一夜限定ライブ こうせつ ムッシュ&森山&&杉田 赤い風船&加川良競演」を観る。

南こうせつは、ステージではギターを弾かない。弾かないけど、毎回あの重たいギターを抱えてステージに上る。どうせ弾かないんだから、置いていけばいいのに……といつも思う(今日は珍しく、少し弾く場面があった)。

これは、お世辞にもギターがうまいとはいえない南こうせつへの揶揄でもあるが、真面目な話、彼の美声は同時代の同業者の中ではずば抜けており、それだけで観衆を酔わせる力がある。それだけの「一芸」を持っているのだから、ギターで弾き語り、というスタイルに固執することはないと思うのだ。

加川良は、これまでレコード(CD)や写真ではよく知っていたが、動く姿を初めて見た。「神田川」を南こうせつといっしょに歌った時に歌詞は間違えまくったのはご愛嬌か。その後、「教訓I」を自らのギター弾き語りで歌ったのだが、そのギターの腕には驚いた。レコードは何枚も持っていて、下手な人ではないとわかってはいたが、身体を大きく動かしながら、構えがぶれることなく、手許を気にすることなく、力強く、正確に……

そして思った。ギター一本で弾き語りと簡単に口にするが、このくらいの腕前がなければ、説得力はないな、と。

五つの赤い風船も初めて見るが、メンバー紹介がなかったのが残念だった。一人でしゃべっていた爺さんが西岡たかしなのか? 個人的には、藤原秀子や長野隆がいなけりゃ「五つの赤い風船」とはいえないな。