黄金期が続く「ラバー・ソウル」

いろいろなアルバム解説を読むと、「ラバー・ソウル」が大きな変節点だ、ここから彼らは変わった、とする評が目立つ。が、そうだろうか。人生の最初期に聴いたビートルズが「ヘルプ」と「ラバー・ソウル」だった、という影響もあるのかも知れないが、基本的には「ヘルプ」の延長線上にあるように感じられる。確かに変化もある。が、その変化はわかりやすいものだ。

「ヘルプ」→「ラバー・ソウル」→「リボルバー」→「サージェント・ペパーズ」は、期待を裏切らず、少しずつ変化あるいは成長している時期だと捉える。

ジョンのボーカルで始まりジョンの絶唱で終わる、という構成は初期の頃から踏襲されているもの。B面最初の曲がリンゴのボーカル、というのは「ヘルプ」と同じ。「In My Life」のピアノは印象的だが、ピアノをフィーチャーした曲は「You Like Me Too Much」(ヘルプ)から始まる。ピアノの弾き語りスタイルは「For No One」(リボルバー)から始まり、これは最後まで続く。

このアルバムのハイライトは「You Won't See Me」だ。リンゴのドラムが最高である。1975年に再発されたレコード(日本版)のライナー・ノートでは「ポールのサジェスチョンによるもの」と断定的に書かれていたが、根拠なくそんなことを言うのはリンゴに失礼だろう。ついでにいうなら「Wait」におけるタンバリンの使い方も非常に印象的。

「Nowhere Man」は、一番低いコーラスラインを間違って覚えていた。ちゃんと聞き取れていなかったんだろう。

「I'm looking through you」は、知らない音というわけではないが、改めて聴いてみるとベースラインがとーってもいい感じ。すごくわくわくする音。このあたりはリマスター効果だろうか?

ラバー・ソウル

ラバー・ソウル