うつりかわり

自分が個人のWebサイトを開設したのは1998年12月なので、もう21年が経ったことになる。

この時のサイトはもうない。閉鎖された日付自体も覚えていない。プロバイダーとの詰まらぬ行き違いが元でアカウントを失ってしまった。奥さんに鉄道模型を捨てられて心が空っぽになってしまった有名なコピペ話があるが、そこまでではないけれども、かなりの喪失感を味わった。実は、今もまだ引きずっている。いろいろ思いが詰まっていたから。いずれ復活させたいという気持ちもあるが、それなりに面倒なので、今のところほったらかしである。

当初はhtmlを書き、レイアウトをスタイルシートで整え、FTPでアップロードするということを毎日のようにやっていたが、やがてエンピツという日記サイトに主軸を移した。タグを手打ちするなどという面倒なことをしなくてもただ文章を書くだけで体裁の整ったものがアップロードされるので、文章量は増えた。これもある時、当方の不注意からサイトが削除されてしまうのだが、既にはてなダイアリに移行しており、バックアップも取ってあったため、それほどの喪失感はなかった。

はてなダイアリは、ダイアリとはいいながら、一日に複数の記事が書ける、コメント欄がある、トラックバックを受け入れられるという点でブログそのものだと思っていた。レイアウトの自由度もエンピツよりはるかに上で、いつの間にかこちらが主軸になった。

ほどなく「テキスト庵」というランキングサイトに登録。ここを通じて同じブログ書きの人と何人も知り合いになり、交流が生じた。楽しい時代だったが、残念ながらそのテキスト庵も今はない。テキスト庵のために描いているわけではないので、テキスト庵があろうがなかろうが自分には関係ない、書きたいことを書くだけだとその時は思ったが、振り返ると結構なダメージを受けていたと思う。これまでにもネットを通じての交流というのはあったのだが、趣味や考え方は違えど、文章を綴るという点において同じような姿勢でいる人が一ヵ所に集まっていたわけで、同朋意識がすごくあったのだと思う。テキスト庵がなくなって書くのをやめてしまった人も少なくないが、気持ちはよくわかる。

仕事が忙しくなったり、私生活でいろいろあったりしたこともあって、ブログの更新頻度は下がる一方だったが、とどめを刺されたのがはてなダイアリの終了だ。昨年、はてなの都合で強制的にはてなブログへの移行を余儀なくされ、はてなダイアリは閉鎖されてしまったのだ。はてなブログはいまだに馴じめず、すっかりやる気を失ってしまった。

しかし、自分に取って「何かを書く」こと、自分が書いたものを「読む」ことというのはとても大事だということを痛感した期間でもあった。だから、いろいろ不満はあるけれど、とにかく書こう、と思い直したのが昨年の夏。昔はもっと気の利いた文章がさくさく欠けていたと思うのだが、今は時間ばかりかかり、しかもあまり面白くない。それでも書くことが大事と続けてきた。

最近は書くことが少し楽しくなりかけている。この気持ちが今年は続けばいいなと思っている。

(2020/1/11 記)