「添い寝」への需要

  • 添い寝(2013/01/28、朝立ち日記リターンズ)

朝刊の社会面で結構大きな紙面を割いてニュースになっていた。

かつて、「添い寝屋」という商売を描いた、山崎紗也夏の「シマシマ」という漫画が「モーニング」という週刊漫画誌に連載されていた(2008〜2010)ことがあり、矢田亜希子主演でドラマ化もされたが、本当にそういう商売があったんだな(本作ではスタッフは男性で女性が客だけど)。漫画を読んだ時は、漫画ならではの架空の話で、まさか実際にそういう商売があるとは考えもしなかったが、漫画がヒントになって始めたのだろうか。それとも、もともとそのような商売があることを知って、漫画に取り上げたのだろうか。それにしても都内で17店舗とは、かなり繁盛していたということ。そんなに需要があったとは驚きだ。*1

漫画でも、主人公が「添い寝屋」を経営していることがバレて、周囲からキモがられ、普通の社会生活が営めなくなるかも知れない……というシーンがあった。この作品でシオさんが経営する「ストライプ・シープ」は、女性に安眠を与えるのが目的で、性的な行為は一切しないし、スタッフにはその点を厳しく戒めている。店名にもある「ストライプ」というのは「隣に寄り添うだけで交わらない」という意味の象徴なのだ。

しかし、どんなに高尚な理念を掲げようと、一般人の感覚からしたら、風俗店だよね。今回だって、風営法の対象外だけど実態を見て有害業務と判断されたわけだし。もっとも、問題になったのは18歳未満の人が働いていたことなのだが。ということは18歳以上なら問題ないことになる。

性的な行為が目的ではなく、そばに寄り添ってもらって癒されるというなら、むしろ年配の女性の方がいいような気がする。母親が子供を包み込むように……それじゃ藤子不二雄の「やすらぎの館」だなあ。

しんどい時に、誰かが隣で寝てくれると安心する、というのは確かにあるかも知れない……と思ったのは、20年くらい前、入江紀子の「のら」という漫画を読んだ時だ。この作品は主人公の女性が傷ついた人の隣に寝る話だ。ビジネスではなく、相手の性別は男女関係ない。男性を相手にした時に勘違いされて性的行為を強要されるシーンなどもあり、結構エグイ作品だったが、確かに共感できる部分もあった。

ただ、誰かがそばにいてくれると安心する、癒されるといっても、当たり前だが誰でもいいわけではない。信頼関係があり、親密な付き合いをしている人に限られるだろうし、「親密な付き合い」には性的な付き合いも含まれるだろう。性風俗業と完全に切り離して添い寝だけをビジネスにするのは難しいのではないか。

シマシマ(1) (モーニング KC)

シマシマ(1) (モーニング KC)

*1:ちょっと検索してみたら、いやー、添い寝屋さんってたくさんあるんですねえ。中には、まさに「ストライプ・シープ」そのもの、という店もあった。世の中そんなことになっているとは、オッチャンは知らなかったよ……。