常盤新平氏死去

1月22日、直木賞作家の常盤新平氏が肺炎のため死去。81歳。

常盤新平は、その昔「パーティジョーク」という本を読んだことがある。暇つぶしには良いが、あまり文章のうまい人ではないな、と思ったことを覚えている。その数年後に直木賞を受賞したとのニュースに接した時は驚いたものだ。

このパターンは実は阿刀田高と同じ。阿刀田高もジョーク、小咄の類の本をたくさん出していて、好きで読んでいたが、文章がうまいとは思わなかったし、小説の書ける人だとも思っていなかった。後年直木賞を受賞したと聞いた時は驚き、同姓同名の別人かと思ったくらいである。

その時は、せっかくだから小説を読んでみようかと手にしたところ、これが抜群に面白い。以来著書を読み漁るようになり、蔵書で阿刀田氏の著作は74冊にも及ぶ。常盤新平はそういう風には考えなかった。だから前掲書以外は読んでいない。