防御率1位&最多勝で、かつ、完投数(沢村賞の条件である「本格派」の証明とされる)がダントツだったので、今年は誰が見ても田中で決まりだと思ったが、ダルビッシュと票が割れ(3-2)、二人受賞の声まであがったとか。
項目 | 1位 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|
防御率 | 1.27(田中) | 1.44(ダルビッシュ) | 1.51(和田) |
試合数*1 | 28(ダルビッシュ、中山) | - | 27(田中) |
勝利 | 19(田中、ホールトン) | - | 18(ダルビッシュ) |
完投 | 14(田中) | 10(ダルビッシュ) | 7(杉内、寺原) |
完封 | 6(田中、ダルビッシュ) | - | 3(杉内、唐川、寺原、成瀬) |
勝率 | .792(田中) | .762(和田) | .760(ホールトン) |
投球回 | 232(ダルビッシュ) | 226 1/3(田中) | 189 2/3(成瀬) |
奪三振 | 276(ダルビッシュ) | 241(田中) | 177(杉内) |
登板数はダルビッシュが1試合上で、その分だけ投球回も上回っているが、僅差である。ダルが明らかに上だったのは奪三振のみだが……。いずれにしても、こうしてみると、この二人がいかに突出したレベルかがよくわかる。数年前は各チームのエース(岩隈、和田、杉内、涌井、ダルビッシュ、成瀬、金子など)ががっぷり四つの状況で、エース対決は力が入ったものだったが、完全に抜け出したようだ。
ちなみに、DH制のないセ・リーグでは完投数が減るため受賞に不利として、セパ両リーグから各一名に選出基準を変えようという動きがあるようだ。一見もっともな理屈だが、もともと沢村賞は沢村が(セ・リーグの)ジャイアンツに所属していたという理由で長らくセの投手しか表彰対象とせず、鈴木啓示も山田久志も村田兆治も東尾修も木田勇も渡辺久信も工藤公康も阿波野秀幸も無視し続けてきた歴史を忘れたわけではあるまい。近年、パに受賞が偏っているのはパの投手が優秀だからだ。吉見や内海が、たとえDH制があったところで、10完投6完封できたとでもいうのか。