北杜夫逝去

10月24日、北杜夫亡くなる。84歳。

北杜夫の作品を初めて読んだのは小学生の時だったか、中学生になってからだったか。それからかなり長い間、マンボウの虫であった。日記や学校の作文などでも、気取って「あまつさえ」などという言葉を使ったりしてマンボウ気取りだった。そういう人が周囲には何人もいた。

基本的に本は文庫で読むため、エッセイに描いてある出来事はニュースとしては古い。娘が生まれて可愛くて仕方がない、というエッセイを読んだのは中学生の時で、なんとなく自分よりずっと年下の子だと思っていたのだが、高校に入ったら、昔同級生だったという人がいて、同い年であることと、エッセイではミキと仮名で書いていたけど本当はユカであることを知った。現在は窓際OLとして活躍中の斎藤由香である。それで、この一家に対してさらに親近感を持つことになった。

最近、斎藤由香のエッセイで、父の車椅子を引いて散歩にいき、こんな生活があと何年できるかなあ……みたいなのを読み、そうだよなあ、遠藤周作星新一宮脇俊三辻邦生吉行淳之介奥野健男斎藤茂太も亡くなってしまって、北氏もいつまでご健在でいられるか……と思っていた矢先だった。

北杜夫については、書きたいことは山ほどあるが、また書く機会はあるだろう。僕の考える氏の最高傑作は、ユーモア小説では「奇病連盟」か「船乗りクプクプの冒険」か迷うが「船乗りクプクプの冒険」を、抒情性の高いものとしては「幽霊」か「どくとるマンボウ昆虫記」か迷って「どくとるマンボウ昆虫記」を挙げる。

船乗りクプクプの冒険 (新潮文庫)

船乗りクプクプの冒険 (新潮文庫)

どくとるマンボウ昆虫記 (新潮文庫)

どくとるマンボウ昆虫記 (新潮文庫)