「私たちは永遠にキャンディーズだからね」

4月23日(土)、24日(日)はテレビを見ていたけど、告別式のあった25日(月)は仕事のためニュースもろくに見られなかった。翌朝、いきなりスーの声が流れてきたのでぎょっとなったが、亡くなる前に録音したものだという。集まってくれた方に直接お礼を伝えたいので……って、集まるというのは自分の葬儀にということだろう。録音されたのは3月、亡くなる約一ヵ月前だ。そんな前から、死を覚悟し、死の準備をしていたのか。その上でさらに一ヵ月も生きたのか。その思いはいかばかりだっただろう。

しかも、いきなり関東大震災の被災者に思いを馳せ、そういった人に少しでも役に立つのが私の使命だという。具体的には夏目雅子が亡くなったあと作ったひまわり基金のことなどを考えたのかも知れないが、もっと根源的なもののような気がする。それにしても、数分のセリフをいうにも息も絶え絶えで、相当具合が悪かったことがわかり、切なかった。

26日にTBSで放映された特番を、録画して、後日見る。「全員集合」や「見ごろ食べごろ」などのコントの映像が見られたのは良かったが、このスペシャル番組ははっきりいっていただけなかった。キャンディーズの追悼番組ではなく田中好子の追悼番組なのだから、もう少し女優時代の映像の紹介があってもよかったし、告別式における本人の最期の肉声くらい、ノーカットで流すべきだった。ランとミキの弔辞が全く登場しなかったのも解せない。

キャンディーズの部分は、最初はシングルヒット曲を駆け足で紹介したのはいいのだが、日比谷音楽堂での解散宣言のあと、「アン・ドゥ・トロワ」「わな」「微笑がえし」と3枚のシングル曲を発表し、いずれも大ヒットしているのだが、それには触れずいきなり解散コンサートになってしまったし、解散コンサートも、曲順を入れ替えるのはどうかと思ったし。あれは、最初は「最後まで明るく、楽しく」と言っていた彼女らが、だんだん押し迫るにつれて感極まり、最後の数曲はずっと泣き通しだった、あの感情の起伏に感動するのであって、曲順を入れ替えて放映する意図がさっぱりわからない。

わからないといえば、この解散コンサートの映像は、TBSのライブラリの奥に眠っていたものを33年ぶりに公開、などともったいぶっていたけど、3年前に「同窓会」と称してフィルムコンサートをやってのはどうカウントされているのだろう?

納棺の時は、往年のファンが道端を固め、青いテープを投げつけて「スーちゃん」と叫んでいた。「あなたに夢中」が流れた。これまでは、この曲を聴くとスーがセンターで踊っていた姿が思い浮かんだのだが、これからは納棺のシーンが思い浮かぶことになるだろう。

  • 喪主・小達一雄氏の挨拶、および本人最後の肉声(参列したファンによる撮影)


  • ラン、ミキの弔辞


  • 納棺のシーン(参列したファンによる撮影)


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