永井するみさんが亡くなられていた

新刊「涙のドロップス」を買ってきたら、解説に「もう新作が読めないのが残念」みたいなことが書いてあって、ナニを言っているのだこの人は? と確認したら、昨年9月3日に亡くなられていた。

知らなかった。永井するみといえば、文庫で新刊が出たら必ず買うと決めている数少ない作家のひとりである。どの作品も水準以上だが、長らく、デビュー作の「枯れ蔵」が最高傑作だと思っていた。が、「グラデーション」を読んだ時に、作家としての階段を二段も三段も昇ったような気がして、今後が楽しみだと本当に思っていたのだ。49歳。まだ若い。

新聞社のサイトなどは長期に記事をアップしないが、それにしても今検索しても、死因すらわからないのがもどかしい。もっとも、小説家や漫画家が亡くなられても死因を公開しないケースが少なくないようだ。病気なら隠す必要はないから、自殺か何かだったのかと勘繰ってしまう。*1

文庫化されていない本は「涙のドロップス」の他に6冊……。それの文庫化をせめて楽しみに待とう。

枯れ蔵 (創元推理文庫)

枯れ蔵 (創元推理文庫)

グラデーション (光文社文庫)

グラデーション (光文社文庫)

*1:景山民夫鷺沢萠も、いまだに事情がわからない。誰かがきちんと書くべきだと思うが。