「あれ、ゆれてる?」と感じる程度の地震は毎日のように(時には、日に何度も)あるのだが、11日の夕方は久々に大きかった。
17時16分、揺れ始め、今回は大きいぞと思っているうちに、縦に揺れ出した。縦揺れは足元が崩れていくような感覚があり、やはり怖い。しかも長い。ようやく収まったと思ったら再び地震。今度も大きく、長かった。これだけ続くと気持ちが悪い。船酔いのような、気分の悪さがこみ上げてくる。
ニュースを確認すると……
福島では17時32分に震度5弱のものがもう一度あり、その後も震度3の中地震が何度も何度もあったあようだ。それに比べればたいしたことはないのだろうが……。ビルのエレベーターも止まり、都営地下鉄も止まる。こんな日は早く帰らないとと思いつつも、急ぎの用事があってそうもいかず、ようやく21時近くなってこれで帰ろう、と思った時にまたきた。
震度3だからたいしたことはないが、ちょうどエレベーターの中にいて移動中で、かなりの揺れを感じたため、途中で止まったらどうしよう、と一瞬怖い思いをした。幸い、1階まで何のトラブルもなく無事に降りてくれたのだが。
とどめは今朝。通勤列車の中で地震に見舞われ、列車は停止、その状態で10数分閉じ込められた。満員の車両が横倒しにでもなったらけが人も大勢出るだろうなあ、などとぼんやり考えていた。結果的には列車がちょっと遅れただけで、何も問題はなかったけれども。
- 8時8分、千葉県東方沖、M6.3、最大震度は5弱、東京23区は震度4。
震度3〜4クラスの地震がこう立て続けにくると、実質的な被害はなくても、なんとも言えないダルな感じになる。机に向かっていても急に足元が揺れるような気がしてあたりを見回すが、何も起きてない、何も起きていないのだけど、今にも床が崩れていってしまうような気に襲われる。何もかも放り出したくなったりする。心理的なものだけでなく、物理的にも、こうした振動を継続的に与えられるた時の肉体への影響というのがあるのではないだろうか?
永井豪の「バイオレンス・ジャック」という作品を思い出す。のちに「関東地獄地震」と呼ばれる大地震が関東に起き、プレートに亀裂が走って関東圏とそれ以外の本州エリアとの行き来が困難になり、度重なる強い余震のために災害復旧もなかなか進まず、ついに政府は首都を移して復旧を断念。住民に避難命令を出す。従って、以後関東には人は住んでいないことになっているが、逆にそこへ流れてくる人もいる。犯罪者やヤクザ、身寄りのない子供たちである。国からも見離された無法地帯で彼らはどうやって生きていくのか――というもので、実際にはかなり殺伐とした内容なのだが、極限状態での人間の心理や行動を描いた問題作(もちろん褒め言葉)だ。
今にして、描写がかなりリアルなのに驚かされる。たとえば、頻繁に余震が発生すること。初めて漫画を読んだ時は、関東地獄地震後は世界がすっかり変わったことが書きたいのだろうが、こんなに大きな地震が毎日起きるわけないだろう、と思っていた。今、実際、震度5〜6クラスの地震が、こんなに毎日起きている。
バイオレンスジャック―完全版 (1) (中公文庫―コミック版)
- 作者: 永井豪
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1998/04
- メディア: 文庫
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