「名探偵、皆を集めてさてと言い」/先週のモーニング(3/10:15号)

GIANT KILLING」(ツジモト)、独走する瀬古を止めようと堀田が体当たりをかます。そこに笛の音が響くが……?

宇宙兄弟」(小山宙哉)、セリカさんに見せるつもりで空中に大きなハートマークを描くムッタ。が、セリカさんはそれをバルタン星人だと思ってしまう。しかし、なぜバトラー室長に見せたかったバーティカルクライムロールと続けてやったのか? 2回に分けるか、「前半がバトラー室長へのメッセージ、後半がセリカさんへ」と明確に言えばよかったのに。

特上カバチ!」(田島隆東風孝広)、猫を轢き殺したおっさんはともかく、肝心の団地でペットを飼う件だが、3ヵ月の猶予期間を6ヵ月に延ばしてもらったところを落とし所とした。いい線だと思うが、住民側としては本当はこれで円満解決とはいくまい。誰かにゆずるつもりなら半年あれば貰い手をさがすこともできようが、ペット可の賃貸住居を探すとなると、まして高齢者となると、半年やそこいらで探せるとは思えない。広島(物語の舞台)あたりだと、そうでもないのだろうか? まあ、漫画としての尺もあるけど。
「僕はビートルズ」(藤井哲夫、かわぐちかいじ)、ファブ・フォー初コンサート。観客はビートルズの記憶を追いかけているわけではなく、初めてのビートルズを体験しているのだ。しかし演奏をコピーすることはできようが、ステージをコピーすることができるのか。できなきゃ観客には伝わらない。それに、今回「新曲」として紹介された「A Hard Day's Night」は映画の主題歌。この曲の良さはあの映画を観なければわからない。映画を作るわけにいかない以上、既に「ファブ・フォー体験」と「ビートルズ体験」とは相当に異なってきている。

鬼灯の冷徹」(江口夏実)、新連載2回目だが、早くも飽きてきた。長いんだよなー。結局コネタの寄せ集めで、軸になる話がない。そのコネタも、基本は「地獄の鬼も会社員も同じ」という、要は「踊る大捜査線」の地獄版なわけで、面白いといえば面白いが、もう爆発力はない。

「カレチ」(池田邦彦)、荻野カレチがいい人になり過ぎちゃって、ちょっとわざとらしいというか、あざといというか。真面目でいい人なんだろうけど、こういう人は、自分のやっていることが正しいと思い込んでいるだけに始末が悪い。一緒には仕事をしたくない人である。つまり、あまり魅力を感じないということだ。

デラシネマ」(星野泰視)、経験の浅さが招いたミスというが、真剣が竹光と間違えて持っていかれるところに置いてあること自体、問題だろう。そもそも真剣は銃刀法でも規制の対象になっているほど危険なもの。それの管理が杜撰すぎたということだ。しかし、真剣を使わずに殺陣を続ければよかったのに……。やる気がなくなっちゃったのかな。

「私は人間じゃない」(北浦和人)、6週連続連載の第二話。主人公の探偵は弁護士から息子の捜索を依頼されたが、その子は殺され、奥多摩山中に埋められていた。その報告に依頼人を訪れると、弁護士が妻を殺している現場に出会ってしまう。

「殺されて山に埋められています」――捜索を依頼されたということは、死んでいるなら、死体を持ち帰るか、死体の写真を撮るか、埋められているならせめてその場所を特定するかできなければ、報告にはならないと思うのだが。

精神感応者である探偵は、話を聞いた段階でほぼ真相が特定できた。理由や経緯を説明せず、ただ結果だけを伝えた方が凄味が増すと思うが、精神感応者であることを隠して、いかにして真相にたどりついたかを演説する(もちろん作り話)ところがオカシイ。が、その真相は異様で、引き込まれる。

「ひらけ駒!」(南Q太)、3月23日第一巻発売。

ひらけ駒!(1) (モーニング KC)

ひらけ駒!(1) (モーニング KC)