ジョンの命日

12月8日はジョン・レノンの命日だ。若き頃のこの日、ニュースでこの報に接した時の驚きは忘れがたい。数年間の沈黙を破って音楽活動を再開し、「STARTING OVER」が世界中で大ヒットしていたさなかだったからだ。元ビートルズということではなく、まさに「これから」という時の死であり、世界は偉大なミュージシャンを失った。

12月8日が真珠湾攻撃・太平洋戦争の幕開けとなった日と同日であり、そのため学生時代、反戦・平和を考えるような真面目な話の流れの中で12月8日の意義を問われた際にジョン・レノンのことに言及し、「ふざけるな」「ふざけていない。平和問題を考える時にはジョンの問題の方がはるかに重要だ」などといってしばし顰蹙(ひんしゅく)を買ったこともある。

今にして思えば、ジョンは世界平和を訴え、いくつかの活動に手を染めたが(そのこと自体は立派だが)、彼はあくまでロックシンガーであって、それ以上でもそれ以下でもない。ベトナム戦争終結したのは、別に彼の努力によるものではないのだ。

みんなで輪になって「GIVE PEACE A CHANCE(平和を我らに)」を歌っても、世界から飢えと貧困はなくならない。そうなることを夢見ていたのだが。