落合監督はなぜ人気がないか

ドラゴンズの落合博満監督が、監督として優秀であるとするのに異論のある人はいないだろう。ここ30年くらいの歴代のドラゴンズ監督と戦績を比べてみれば明らかだ。

  1. 近藤貞雄:08年、462勝519敗59分け、勝率.471、1位1回
  2. 山内一弘:06年、365勝348敗67分け、勝率.512
  3. 高木守道:04年、244勝249敗 6分け、勝率.495
  4. 山田久志:02年、142勝132敗 6分け、勝率.518
  5. 星野仙一:13年、920勝791敗33分け、勝率.538、1位3回(日本一なし)
  6. 落合博満:07年、554勝432敗20分け、勝率.562、1位3回、日本一1回

近藤、山内、星野はドラゴンズ以外のチームの監督成績も含めているが、山内、星野に関して言えば、他球団の成績を除くと、勝率はもっと下がる。落合監督は勝率もずば抜けているし、優勝回数も多く、ドラゴンズに久々の日本一をもたらしたという点でも稀有の手腕を持っていると言ってよいのではないか。

ところが、毎年のようにオフシーズンになると監督交代がスポーツ新聞で話題になる。フロントの誰が落合をかわいがっていて誰に嫌われていて、選手の誰と確執があって、……という話は興味ないから読んでもすぐ忘れる。ただ、いろいろいわれる大きな要因に、監督の人気がない、という問題があるようなのだ。落合監督では人を呼べないから、もっと人気者を監督にしないと……というわけ。

上記のブログでりんたろうさんは、買っても負けても無表情な点が問題なんじゃないかと述べておられる。確かに、長嶋や星野のような人気者は感情を露わにしている。しかし選手を鼓舞するという点で効果を発揮することもあるが、指揮官としては失格だと僕は思っている。

プロ野球は人気商売なのはわかるが、選手のダイナミックなプレイでファンの耳目を集めるのが筋というものである。また、それをファンに伝えていくのは球団の(広報の)責任であり、人気者を監督に据えて人気回復をはかったり、不人気の責任を監督に押し付けたりするのはおかしい。

落合の野球がつまらない、という意見もあるようだが、僕の見る限りでは、予測不可能な(エキサイティングな)采配も目もつく。ランナーが出ると判で押したように送りバント、というのは星野などの方がよほど多かったのではないか。