いつもはだいたいページ順に読んで行くのだが、今回は真っ先に「ピアノの森」(一色まこと)を開いた。(予選を通過した)カイが(落選した)雨宮修平に何と言ったのかが気になっていたからだ。
雨宮は一人で喋ってその場を去ってしまい、カイは何も言うことができなかった。かろうじてほっとした。しかし、カイが雨宮の前に姿を現わした時点で雨宮は相当傷ついただろう。直接そそのかしたのはレフだけれども、作者も罪なことをするものだ。
ところで、実際のショパコンの過去の入賞者を調べてみたのだが、優勝はもちろん、「ファイナルに残る」だけで「世界一流のピアニスト」の仲間入りといってもいいくらいの権威があるんですね。僕でも名前を知っているような錚々たるピアニストが名を連ねている。毎回日本人が誰かしら入賞しているが(過去に日本人の優勝はない)、入賞したら日本の若手トップも同然。もちろんファイナリストになってもさらに入賞できるかどうかのもうひとつ山があるのだが、最年少参加の雨宮にとっては、三次予選まで残っただけでも上出来だというのが客観的な評ではないだろうか。
雨宮洋一郎(修平父)とパブラス(修平師匠)との齟齬も気になるところだ。洋一郎は何をそんなにこだわっているのか、以前クリスティーナに受けた指摘はやはり正しかったのかと思うが、パヴラスも腹に一物ありそうで。
「ライスショルダー」(なかいま強)、大事にしていたものを踏みにじられて主人公が覚醒するパターンはある意味常道なので、会長がおこめを叱ったのが意外。これで本当に覚醒するか。ボサンはガードした両腕の衝撃にビビりかけたが、スジに「ちゃんと見てるからね!」と言われてニヤリとほほ笑むのが素敵。
「島耕作」、サラリーマンを40年やったんですよ、などと偉そうに力んでいたがこんなに簡単に引っかかってしまうヘタレだったとは(マッサージを頼んだら、やってきた女性は性的なマッサージをしようとする。島が断わると、相手はマッサージではなくSEXを要求されたものと解釈して全裸になる。そこへ警察に踏み込まれて逮捕されるというなんともトホホなパターン)。
「特上カバチ」(田島隆/東風孝広)、今回は爽快。ただしあんまりやると今度は田村が脅迫罪になるよ。
「僕はビートルズ」(藤井哲夫/かわぐちかいじ)、ストーリーは措いておいて、欄外で原作者が書いていたことをピックアップ。
「抱きしめたい」「落ち葉のコンツェルト」「原子心母」など、昔の洋楽の日本語タイトルは雰囲気がありますよね。最近はカタカナ英語表記が主流で、少し寂しい気もします。
これには全面的に同意。いや、「少し寂しい」などというものではない、「手を抜くのもいい加減にしろ」という感じだ。ただし、上記コメントのタイトルが「超訳」になっていたのは納得がいかない。「I want to hold your hand」を「抱きしめたい」とするのはまさに適訳だし、せいぜい「意訳」といったところ。
「地獄の沙汰とあれやこれ」(江口夏実)、好き。今回の「万引きは罪」キャンペーンはギャグを超えて胸にしみた。
「ポテン生活」(木下晋也)、最近ページ数が増えて嬉しいが、地獄シリーズが地味に面白い。
「ミーファ」(ひなきみわ)、編集部もいつまでこんなくだらない作品を連載してんだか。
「のりのり」(木村胡麻)、悪くないけどもうひとひねりほしかった。
- 作者: なかいま強
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/05/23
- メディア: コミック
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (6件) を見る