次世代スーパーコンピュータを現場ではなんと呼ぶか

7月28日に書いた「次世代スーパーコンピュータの愛称は「京」。こんなの誰も使わない」の続き。

理研による発表は以下の通り。

僕の前回の記事で、「京」だけではわからないから、「次世代スパコン京」のように書かざるを得ないだろう、と書いたが、上記では実際理研自身が、

今後、理研は次世代スパコン京速(けいそく)コンピュータ「京(けい)」と呼びます。

としている。だったら「京速コンピュータ」でいいんじゃないだろうか。そもそも

次世代スパコンは、すでに計算科学のコミュニティでは、京速(けいそく)のコンピュータとして知られ、「京(けい)」にはなじみがある。

とあるが、わたくしメも一応計算科学のコミュニティの末席にいるけど、そんな風に呼ばれているとは知らなかった。「ペタコン」という言い方はよく耳にするが……

今日、そっち方面の学会があり、顔を出してきた。このスーパーコンピュータに関する発表も一本あったのだが、発表者は一貫して「次世代スーパーコンピュータ」と呼んでいて、「京速コンピュータ」とも、まして「京」とも呼んでいなかった。そうだと思う。申し訳ないけど、誰も「京」なんて呼ばないと思うよ、関係者は。

そもそも、あまりたいした案が集まらなかったのか。仕分けの話なんかどうでもいいので、それよりわかりやすく、コンピュータの性格や未来を感じさせるようなストーリー性のあるもの……「地球シミュレータ」はいい名前だったと思う。

ちなみに、地球シミュレータは2002年に設置され、2年半、世界最高性能を誇ったが、その後IBMに抜かれCrayに抜かれて徐々に順位を落とし、昨年11月の時点では31位だった。ただし国産では依然トップ。つまり、個人のパソコンだって数年で買い替える(ハードウエアの進化の早い)このご時世に、8年間も地球シミュレータを超えるコンピュータが作れなかったし、その性能は世界のトップ30にも入れていなかった。これが今の日本の計算能力だということだ。