佐保利流の家元(森毅先生)亡くなる

森毅先生は、というより、佐保利流の家元とお呼びしたいが、お会いしたことはもちろんのこと、テレビや講演会などでも見たことがあるわけではない。もっぱら著書のみだが、高校時代に知ってある時期から個人的に私淑していた……いや、私淑というのは個人的なものか……ある時期、佐保利流の弟子を自称していた程度には尊敬していた方であった。

ユーモラスな方であり、エッセイなどもいろいろ書かれていたようだが、なんといっても数学者である。世間の大部分の人がアレルギーを持つ数学である。業界内では多少の知名度はあっても普通の人は知らない人だと思っていた。が、森先生逝去の記事は新聞にも大きく取り上げられ、ブログでも何人もの人が採り上げていた。そんなに有名な人だったのかと驚いている(全く不肖の弟子である)。

森先生に受けた恩恵は、書き出すときりがない。そのうちまとめてみたいと思っている。著書の中でお薦めを一冊あげるとするなら、「指数・対数のはなし」(東京図書)だ。何乗とかいう指数はまだしも、対数とかlogとかいわれてもチンプンカンプン! とおっしゃる純文系の人にこそ読ませたい本だが、残念ながら今は絶版かも知れない。(付記:復刊されたようだ)

指数・対数のはなし―異世界数学への旅案内

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