江夏豊の自伝「左腕の誇り」

単行本を買ったはずだが見当たらない。BOOK OFFに行ってしまったのかも知れない。やはり手許に置いておきたかったため、文庫で出たのを機に再購入。

著者名が江夏になっているが、厳密には江夏の著書ではなく、波多野氏が江夏に取材してまとめた本。実際、波多野による解説がかなりの割合を占めている。

現役時代の江夏については、特に目新しいことはないが、引退後、特に覚醒剤所持で逮捕された前後のことはあまりきちんと知らなかったから、興味深く読んだ。

ところで、江夏は阪神タイガースから南海ホークスに移籍されて野村克也と出会い、リリーフに転向し、野球を基礎から教わって野村のことをすごく尊敬していたし、恩義を感じていた。だから、野村が南海をクビになった時に一緒に辞めたりもしたのだ。

しかし、最近の野村はあの時の野村とは違う、といってバッサリこきおろしていたのは笑った。彼を変えたのは(江夏も言う通り)奥さんだろう。本当にあの奥さんは野村を悪い方向に引っ張り、多くの友達をなくさせ、仕事もなくさせたよね。野村本人もそれはわかっているのだろうが、それでも好きなのかなあ。まあ、あの年になって今さら別れられないよなあ。でも野村がたとえば寝たきりになった時、ちゃんと看病するだろうか?

左腕の誇り―江夏豊自伝 (新潮文庫)

左腕の誇り―江夏豊自伝 (新潮文庫)