ウルトラシリーズを支えた人たち

chd2009-12-31


初めてウルトライベントに参加し、初めてプロの役者さんと生で話をして少々興奮した。ウルトラマンウルトラセブン(のアマギ隊員)に関して言いたいことは尽きないが、今回で一応記録は終わりにしたい。

こうして40年以上経ってもいまだにウルトラマンウルトラセブンのファンが集い、続編や後継作品が作られ、映画化され、本が出版される。いつまでも色褪せないのははいろいろな理由があるけれど、当時のの関係者が夢を壊さずにいてくれた、夢を壊さないように努力してくれたことも大きな要因だったのではないか。

子どもの頃にアイドルとして憧れた可愛い歌手や俳優は何人もいる。一世を風靡し、その後表舞台から消えて10年、20年経ってから再びファンの前に登場した時に、その容姿が見るに堪えないことがある。具体名を挙げるのは控えるが、かつての美しさを維持できていないなら、戻って来ないでほしい、スタッフもこういう人を呼び戻さないでほしいと思う。それでかつての偶像が地に堕ちる……というわけでもないけれど、そのカリスマ性は何割か減ぜられるのはやむを得ない。

しかし、しばらく女優を休業していたひし美ゆり子さんがスクリーンに再登場した時、その美しさはかつてのアンヌの延長線上にあるものであり、期待を裏切らなかった。いや、それ以上だったといえる。歳をとれば体型の維持も難しくなるだろう。まして現役から離れれば気も緩むだろうが、それにも関わらずあの容姿である。現在のひし美さんの存在は、ウルトラセブンのアンヌの価値をますます高めている。

役者の場合、その後にある種の役柄が定着し、かつてのヒーローのイメージが裏切られることがある。20年も30年も経てばそういうことがあってもやむを得ないが、さいわい、ウルトラマンウルトラセブンの主要登場人物にそういう人はいない。ひし美さんの場合は微妙である。「鏡の中の野心」をはじめ、いくつもの映画やテレビドラマでその裸身を惜しげもなく披露してくれた。一歩間違えればウルトラのアイドルがポルノ女優になってしまったとされるところである。が、実際にはこうした映画の存在はファン心をくすぐり、アンヌの神格化に拍車をかけこそすれ、アンヌのイメージが堕ちることはなかった。今回、そうした映画をいくつか見て納得が行ったのだが、確かに裸を見せてはいるが、映画自体がちゃんと作られていて、その中でひし美さんがきちんと演技をしているからこそなのではないかと思う。

そして今回の古谷さん。年齢が年齢なだけに、お腹がポコっとふくらんでいてもおかしくはなかったが、先に書いたように、たった今ウルトラセブンの着ぐるみから出てきたような体型を維持されていた。だからこそ僕らは古谷マンに、あるいはアマギ隊員に会ったと思えたのだ。

極端な話、ひし美さんなり、古谷さんなりが、もし仮にマリファナにでも手を出していたら、下手をすればウルトラマンウルトラセブンの全話がおクラ入りであり、ウルトラブームなんてどこかえ消え去っていたかも知れないわけだ。実際、かつて人気のあったドラマで、その後主役の人が警察沙汰になったために一切再放送されず、DVD化もなされていない作品がある。

だからこそ、古谷さんにもひし美さんにも、そのほかウルトラの関係者全員に、感謝したいのである。ウルトラマンを、ウルトラセブンを、守ってくれてありがとう、と。

写真は、来年古谷さんが出演する映画の主役の女優さん。