ジョン・レノンの伝記

最近は、子ども向けの真面目な偉人伝シリーズなどに、ジョン・レノン手塚治虫イチローなどが並ぶようになり、違和感なく受け入れられているらしい。図書館で目に留まったので借りてみた。

ジョン・レノンの経歴についてはそれなりに知っているので、新しい情報はないと思っていたのだが、そうではなかった。

ひとつは、ポールとの運命的な出会いである1957年7月6日のこと。どの伝記を読んでも、この日に二人は強烈に惹かれあって親友になったと書いてあるが、僕自身は、それはあとづけの話ではないかとかねがね思っていた。本書では、この日に二人が知り合ったのは事実としながらも、仲良くなるまでには時間がかかったとなっている。こちらの方が真実に近いのではないかと思う。

ちなみに、ポールがジョンを「すげえ!」と思ったのは、16歳で酒を飲んでいたからであり、ジョンがポールを「やるな!」と思ったのは、14歳で既に童貞ではなかったからだ……という説がある(本書ではない)。僕はこの説が好きである。

もうひとつは、スキッフルとはどういう音楽かの説明が載っていたこと。若き日のビートルズを語るのにスキッフルは欠かせないが、実は僕はスキッフルというのがどういう音楽なのか、全く知らなかったのだ。だってどんな本にも出てくるけど、どの本にも説明がなかったんだもん。でも知って改めて思うが、説明抜きに使うのはよくない。若き日の彼らがどうだったのかを想像する時に、スキッフルがどういうものだが知っているのと知らないのとでは違う、ということが知って分かった。

子供向けの本だとて、侮ってはならぬ。詳しいはずの人のことでも、まだまだ知らないことはあるのだ。

ジョン・レノン―愛こそはすべて (愛と平和に生きた人びと)

ジョン・レノン―愛こそはすべて (愛と平和に生きた人びと)

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