有終の美を飾る

「今季の終わり――クライマックス第二ステージのイーグルス」(2009/10/24)で

試合終了後、かつての教え子である稲葉の主導で、両チームによる野村監督の胴上げ。

と書いた。テレビのスポーツニュースを見た限りでは、輪の中に稲葉が入っていって、野村監督の肩を抱くようにしながら胴上げに持っていったようだったが、翌25日の新聞では山崎が主導でやったことになっている。ノムさんの「最後のぼやき」のインタビューでも山崎がと言っていた。

新聞記事や、野村監督自身の敗戦の弁によると、大舞台の経験がなかったことが第一に挙げられている。なるほど第一ステージでも第二ステージでも大活躍した田中投手は、甲子園の決勝戦の舞台を踏んできている。が、今一つ物足りなかった岩隈も、WBCという世界のステージではMVPでもおかしくなかったくらいの活躍を見せたし、捕手の藤井ともども、近鉄時代に日本シリーズの経験もある。

地元仙台で開催できる以外、これといったアドバンテージのない第一ステージでも伸び伸びと力を発揮した。ペナントレースが2位なんだから、本来、第一ステージは負けて元々、勝てば儲けもの、と気楽に闘える立場。優勝して日本シリーズに出られなかったら立場がないファイターズの方がプレッシャーがかかったはずなのだ。

それが、監督の勇退問題が大騒ぎになった結果、意地を見せる意味でも、有終の美を飾る意味でも、日本シリーズへの出場、そして日本一……という意識がガチガチに彼らを縛り付けてしまったのではないか。

「楽天ノムさん「戦力外」」(弁護士 落合洋司東京弁護士会)の「日々是好日」、2009/10/21)のエントリで下記の記事が紹介されていた。

どこまで本当かはわからないが、そういうこともありそうだ。いずれにしても、そろそろ球界から去る時期だろう。