今季の終わり――クライマックス第二ステージのイーグルス

ファイターズ側の1勝のアドバンテージ、全試合本拠地札幌ドームでの開催、という点は不利だが、ダルビッシュを故障で欠くファイターズで怖いのは(苦手意識の強い)武田勝くらい。十分勝機はあると思っていた。

10月21日、9-8、●/苦手の武田勝を打ち崩し、6回1/3で5失点。その後の3投手すべてから点を取る。対して永井は7回を1失点で切り抜け、7回を終えた時点で6-1。8回、永井は3点を失い2点差まで詰め寄られるが、9回2点を取って突き放す。その裏はリリーフエースの福盛を投入するが、3連続ヒットで1点を失った後、スレッジにまさかのサヨナラ満塁ホームラン。誰もが勝ちゲームと思った試合をひっくり返されただけに、大きな敗戦となった。

10月22日、3-1、●/岩隈が3失点で完投するも、糸数から点が取れない。打てない打線が悪いのか、せっかく4回に先制点をもらいながらその裏すぐに同点とされ、さらに7回に2点を取られた岩隈が悪いのか。エースで負け、大きな敗戦となった。2連敗だがアドバンテージの1勝分があるため、イーグルスはあと1敗した時点で敗退。

10月23日、3-2、○/田中が2失点完投で初勝利を呼び込む。ずっと仕事で試合は見られなかったが、この日はスポーツニュースをはしご。8回、1点を返されなおランナー三塁、打席には当たっている三番・稲葉、四番・高橋を迎えて、150kmを越す速球を連投。稲葉には結局四球だったが、2回にホームランを打っている高橋を三振に抑えた投球は震えた。

10月24日、9-4、●/7回を終わって6-3だが、8回に1点を返して2点差に詰め寄ると、その裏、二死二、三塁の場面で岩隈を投入する執念を見せたが、スレッジに3ランを浴びて突き放された。

試合終了後、かつての教え子である稲葉の主導で、両チームによる野村監督の胴上げ。

ペナントレース終盤から、日本シリーズパ・リーグからは楽天ゴールデンイーグルスが出場することを本気で願っていたし、日本シリーズに出れば、岩隈・田中が2勝ずつすればいいわけだから、十分勝機はあるとも思っていた。しかし、終わってみれば、シーズンを制したファイターズが順当に勝って良かったと思う。下位球団が出場するのはシリーズの価値を貶めるだけだ。

ペナントレースでも、第一ステージも、第二ステージも、田中の好投が見れたのは良かった。岩隈は、すべて今一つ物足りない思いがあるが、そもそも年初にWBCでの活躍があった。その影響があったと考えると、これも致し方ないところだ。問題は打線で、シーズン終盤と第一ステージで打ちまくった打線が、第二ステージで止まってしまったのは、監督問題が大騒ぎになったことと無関係ではないのではないか。そもそもは球団側の不手際によるものだが、野村監督の態度も見苦しかった。

セ・リーグでもジャイアンツが順当に日本シリーズ出場を決めた。しかし、もともとぶっちぎりの優勝だったのだから、クライマックスなんてちゃんちゃらおかしい。もう来年からはやめていいのではないか。