伝説のワン・デイ・レコーディング「プリーズ・プリーズ・ミー」

最初の4枚は今回が初ステレオ化らしいから、22年前のCDはモノラルで聴いていたのかな。もともと2トラックで録音されていたのだから、それを右と左に割り振ってもステレオとしては苦しい。このアルバムはまあモノラルなんだろうなと思う。基本的にボーカルが右側に入っているが、エコーがかかったようにボーカルが響いているのが、わずかに遅れて左側に聞こえるのはいただけない。

しかしまあ、それはそれとして、2トラックということは、ボーカル(+コーラス)と楽器を別々に録音することができないということだ。しかも、不幸な例外の2曲だけアンディ・ホワイトがドラムを叩いているが、あとはジョージ・マーティンがちょこっとピアノを弾いているくらいで、それ以外は全部自分たちで演奏している。つまり、レコーディングの時も歌いながら演奏したということだ。それでこのレベルの歌と演奏をこなしてしまったとは。これはかなりたいしたものだ。

「one, two, three, four...」という掛け声で始まり、「TWIST AND SHOUT」のジョンの絶唱で終わる構成のこのアルバムは、「コンサートをパッケージしたもの」というコンセプトで作られたが、それは見事に成功したといえるだろう。このアルバムを、彼らはたった一日でレコーディングしたのである。

プリーズ・プリーズ・ミー

プリーズ・プリーズ・ミー