- ザ・ビートルズ・クラブ、「コンプリート・ビートルズ」(集英社インターナショナル)
間もなくリリースされるリマスターCDの解説本。通販で買ったのでどういう本だかわからなかったが、思ったより薄かった。
簡単なビートルズ・ストーリーも述べられているが、これは余計だ。ビートルズはミュージシャンであっただけでなく、デザイナーであり、ファッションリーダーでもあり、ひとつの「現象」だった。それを適確に、簡潔に表わすのはそう簡単ではない。それを試みた類書はいくらでもあるのだから、本書は音楽的側面に絞り、曲目解説に徹してほしかった。ただでさえ薄い本なんだから。
もっとも、今回のリリースで初めてビートルズに触れる若い人や、かつて熱中したけれども、細かいことを忘れたオジサンオバサンたちのために、こうした説明は必要なんだろうな。有名な「事件」や「セリフ」をつなぎ合わせただけで、あまりよくできているとは思えなかったが。
曲目解説の方はさすがに充実している。これまであまりきちんと説明されたことがなく(少なくとも、僕の知る限り)、今回ていねいに説明されていたのは、モノラルとステレオの違いだ。ステレオは単にモノラル録音の音を左右に割り振っただけではなく、音源(テイク)が違うものも意外に多いらしい。
実は、かつでCDで買い直した際、「アイ・アム・ザ・ウォルラス」のイントロがレコードと違っていたため、非常に不思議に思っていたのである。アルバムはキャピタル盤だが、イギリスのEP版と同じテイクのはずで、実際イントロ以外は同じと思えるが、なぜイントロだけよく知っているものと違うのかと……。この解説によれば、モノとステレオの違いということだ。なんと、僕が買ったレコードは(リリース後15年くらい経っていたのに)モノラル盤だったのだ!
- 作者: ザ・ビートルズ・クラブ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/09/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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