スポーツライターの小関がいつもストップウォッチを持っていて、打ったバッターランナーが一塁に行くまでの時間を計っているのは知っていたが、彼が書いた本をまともに読むのは初めて。ちょっと目から鱗が落ちる思いだった。
いろいろと斬新なデータが載っていたが、個人的には、高校野球や大学野球に比べて、プロ野球選手がこんなにチンタラ走っているとは知らなかった。「なんとなく」高校野球の方がきびきび見えて気持ちがいい……負けたら終わりだから必死にやっている気持ちが伝わってくるんだろう……と漠然と思っていたが、「きびきび」感には数字による裏付けがあった。プロ野球の試合時間が長いのは、サイン交換と選手交代が多いせいだろうと思っていた。それもあるだろうが、それだけじゃなかった。
もう長い間、球場へ足を運ぶこともなくなっているが、今度球場へ行く機会があったら、必ずストップウォッチを持っていこう。
この本は、プロ野球選手や、プロ野球関係者にぜひ読んでもらいたい。バッタランナーが一塁に向かって常に全力疾走し、攻守交替の時に野手が全力疾走するようになれば、試合はずっと面白く、見ごたえあるものになるはずだ。本当のファンサービスとは、そういうことじゃないかと思う。
- 作者: 小関順二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/02/21
- メディア: 新書
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