異なるリーグでの通算記録−アメリカ人の意見

先日のエントリ「イチロー、日米通算3086安打」(2009/04/18)では、日本とアメリカでの記録を単純に足して、あたかも日本記録を更新したかのように騒ぐことに批判的な書き方をした。

ちょうど新聞に興味深い記事が載っていたので紹介する。2009年4月23日日本経済新聞の夕刊、スポーツ面に載ったジム・ケイブルの「通算記録 米は関心低調」というコラムである。以下要約。

  1. アメリカではイチローの3086安打の記録に関心を払う人はほとんどいない。
  2. なぜならば、日本とアメリカのリーグは別物だからだ。その理由は、第一にレベルの違い、第二に試合数の違い。
  3. レベルは、WBCの結果などを見れば、あまり差がないのかも知れない。しかし試合数は別。2割の違いは大きい。
  4. もうひとつ、「日本人として最高」というような記録に意味があるのか。MLBにおいて、カナダ人の最多安打は2160(L・ウォーカー)、パナマ人の最多安打は3053(R・カルー)……記録集には載っていない。メジャー最多安打はP・ローズの4256本のみだ。
  5. もしイチローが日米通算でローズの記録に近づけば、通算記録について本格的な議論がかわされるかも知れない。

まあ、あまりにも正論過ぎて突っ込むところがない。強いて言えば、まるっきり問題にもしていないのかと思ったが、いずれ取り沙汰されるかも知れない、と含みをもった書き方になっている点に少々驚いた。もちろん、筆者はその可能性が高いものとは考えていないのだろうが。