あぶさん、ようやく引退

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あぶさんは二日酔いの代打選手だった頃は面白かったですけど、超人になり過ぎてからは興味が薄れてきました。

とあるが、全く同感である。もともと景浦は、打撃がよく、肩が強く、足も速いが、酒の飲み過ぎでスタミナがなくてレギュラーが務まらない。だから代打専門の選手、という設定だったのに、いつの間にかレギュラーになり、いつの間にか三冠王を取り、40歳を過ぎても50歳を過ぎても衰えを見せず……と極めて非現実的な設定に。

そもそもこの漫画は、野球はエースやホームラン王だけで成り立っているわけではない、景浦のような、ひと振りに賭ける選手もいる。そういう、普段はとかく日が当たらない人にもひとりひとりドラマはある、それを描くというコンセプトだった。

だから、マネージャーや、バッティングピッチャーや、二軍監督といった人を主人公にしたストーリーがあったりとか、本人も、球場へ来るファンにはようやく名前を覚えてもらえても、サイン会を開いたら誰もこなかったりとか、そういう話が初期には多い。

これは剛速球を投げる藤村甲子園やホームランを連発する山田太郎を主人公にした漫画とはまるで違う。そこが面白かった。水島新司はなんて懐の広い漫画家なんだろう、と驚嘆したものだ。

最近になって「あぶさん」を知った読者で、毎回夢中になって読んでいる人なんて、いるのだろうか。昔から読んできた人が、惰性ないし安心感で読んでいるだけなのではないだろうか。僕だって、ビッグ・コミック・オリジナルがあれば、やはり「あぶさん」は読むから。

やめどきを間違った漫画の代表なんだろうな。編集部も、大作家となってしまった水島新司に、そろそろやめた方がとは誰も言えなかったのではないだろうか。逆かなあ。編集部が、とりあえず「水島新司」の名前でソコソコは売れるので、やめさせずに引きのばしてきたのか。

62歳で現役って、凄過ぎますね。岩田鉄五郎さんを遥かに上回ったのでは?

平成野球狂の詩では、岩田鉄五郎は70歳を過ぎてなお投げておりました。(^^;